7月23日(土)にコラムで取り上げた三江線の去就が決まった。

JR西日本は鉄道事業の廃止を平成28年(2016年)9月末日までに届け出る。

JR西日本によると、旅客数の減少がエリアの人口減少を上回っていること。平成26年度の輸送密度が50人で、JR西日本が日本国有鉄道から三江線の事業を引き継いだ昭和62年の9分の1にまで落ち込んだこと。

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その路線を安定的に運営する収入を得るための輸送密度はおおまかに1500人/日と言われているのだから、廃止時の岩泉線輸送密度46人/日と同じレベルである。言い換えれば三江線は毎日凄まじい赤字を生み出し続けていることになる。

JR西日本も沿線自治体などと共に三江線活性化協議会を作り5年にわたって利用促進に取り組んできたが、これらの状況が改善される見込みが無いことが決定的だ。

JR西日本による発表はニュース・リリースから引用すると以下の4つにまとめられている。

(1)三江線はエリア内の短区間の流動が太宗を占め、かつ僅少な輸送密度を踏まえると「拠点間を大量に輸送する」という鉄道の特性を発揮できていないこと。

(2)通院、買物などの市町内で完結する少量かつ多様な移動が、この地域の移動実態であり、輸送モードとして鉄道が地域のニーズに合致していないこと。

(3)三江線活性化協議会において、5カ年の取り組みにもかかわらず、利用者の減少に歯止めがかかっていないこと。

(4)三江線において過去10年において平成18年と25年の二度にわたり大規模な自然災害が発生した。さらには強雨発生回数の増加傾向をはじめとする自然災害リスクの高まりは当線区においても無関係でなく、バスにて代替可能な鉄道に対し、被災と復旧の繰り返しは社会経済的に合理的でないこと。
 
 こうした4つの理由を踏まえ、当社として三江線の鉄道事業はどのような形態であっても行わないという判断に至りました。

 なお、鉄道事業の廃止届出は社内手続きを経た上で、平成28年9月末日までに行います。

残念だが、万策尽きた、という他はない。

三江線の歴史や廃止に至る状況は7/23のコラムに書かれているので興味のある方はご覧下さい。

コラム 全通40周年 三江線の去就が気にかかる