車輪を激しく軋ませながら急カーブ【私鉄に乗ろう95】箱根登山鉄道 その9

2019.10.23

上大平台信号場でスイッチ・バックしてから800mで仙人台信号場。ここはスイッチ・バックするのではなく、通常の列車交換用信号場です。80パーミルの勾配を登ってきました。

昼間は列車交換しません。その場合でも必ずいったん停車します。

上り側にはホームがあって、この信号場にも通常の駅と同じ駅名標が設置されていました。

信号場の看板。標高は398m。かつては標高410mと表示されていましたが修正されました。上大平台信号場(標高346m)から800mで52m登っています。

仙人台信号場を離れます。

車輪を激しく軋ませながら曲がってゆきます。まさに半径30mの急カーブ。

この橋梁部分も半径30mっぽい急カーブです。

仙人台信号場から900mで標高436mの宮ノ下駅に到着。後方展望は後追いなので撮り損ねが無い様に思いますが、結局前が見えないので展開が分かりません。トンネル部分は撮りやすいのですが、むしろそれ以外は前面展望の方がはるかに撮影し易いです。

ここで列車交換しました。個人的には子供の頃から見慣れたこの古いタイプの車両の方が好きです。新しい車両は乗り心地など良い点はたくさんありますが、箱根登山鉄道の風景に合っていない様な違和感を感じてしまいます。単に見慣れているダケなのかもしれませんが、好悪で言っても古い車両の方が良いですね。左側に立派な宮ノ下駅舎があります。

宮ノ下駅ホーム。並んでいる木のベンチも良いです。奥に見えるログキャビン風の建物はトイレです。

1919年(大正8年)毎回お決まりで書きますがフランスのダダイスト、マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)がモナリザの絵はがきにヒゲを描いた年です。その年に開業した駅。駅を出て国道1号線に沿って進むと1878年(明治11年)創業の有名な富士屋ホテルがあります。このテルの本館(1891年・明治24年竣工)の木造建築が和様折衷の明治の建築様式で美しいのです。創業者が「外国人専用」を目指したということでホテルが「日本文化」の洒落たパッケージになっています。国の登録有形文化財にも指定されています。現在は耐震改修工事で休業中ですが、2020年には再オープンの予定です。このホテルには泊まってみたいですね。一泊とは言わず数日はノンビリ逗留するのがいいな。

では、あてどない夢想から【私鉄に乗ろう95】箱根登山鉄道 その10 に続きます。

追記:

このコラムは、2019年9月に書かれたものです。御存知の様に、2019年10月12日に関東から東北に上陸した大型で強力な台風19号は、関東甲信越と東北地方に甚大な災害をもたらしました。台風によって亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。被災された皆様にお見舞い申し上げます。

また台風19号は箱根登山鉄道にも甚大な被害をもたらしました。箱根周辺では、1,000ミリを越える前代未聞の雨量が記録されたのです。ニュース映像などを見る限りでは路盤や橋梁などの被害は凄まじい状態です。長い歴史と風雪に耐えてきた箱根登山鉄道が箱根湯本駅と強羅駅間で運休という事態になっています。現在は代行バスが運行されています。

被害に遭われた箱根登山鉄道にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を心からお祈りいたします。

また復旧などの情報も随時。お知らせいたします。

(写真・記事/住田至朗)


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