電動工具ブランド「HiKOKI」や「metabo」を手がける工機ホールディングスは4月2日、東京・品川の本社で会長・社長就任会見を開き、4月1日に就任した森澤篤代表取締役 社長執行役員兼CEO、前原修身取締役会長が登壇。

森澤篤新社長率いる同社の今後の経営ビジョンや、同社初の販促企画、建設系アプリとの協業などについて伝えた。

同社の社長を約5年務めた前原会長は前段、工機HD社長としての5年を振り返り、同社に招いた森澤新社長へとつないだ。

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前原社長時代の5年間に、同社はドイツの老舗電動工具メーカー「Metabo」社買収(2016年)、日立グループからの離脱(2017年)などを経て「第二の創業ともいうべき大きなできごとだった」と前原会長は振り返る。

2018年、日立工機株式会社から工機ホールディングス株式会社に変更し、新ブランド「HiKOKI」(ハイコーキ)を立ち上げたのもこのころ。

森澤篤新社長「ユーザー重視」「4現主義」でブランド力強化

リクルート、ボストンコンサルティング、マースジャパンリミテッド社長などを経て工機ホールディングスの社長に就任した森澤篤新社長は、複数社を渡り歩いて培われた「ユーザー重視」「4現主義」を工機ホールディングスでも実践していく。

この4現主義とは、現場・現物・現実・現在にフォーカスした考え。

現場は、「机上の空論を徹底排除し、ユーザーの現場や工場、物流、販売の現場に実際に足を運ぶことで、現場を肌で理解し答えにつなげていくこと」。

現物は、「自社製品・他社製品の現物を確認し、どう使われ、ユーザーにとってなにがよいのかを全員が理解する」。

現実は、「現場・現物にもとづき、客の声に耳を傾け、客が何に困っているのか、何があればよろこぶのかを真剣に考え、本当のインサイト(洞察)につなげる」。

現在は、「エンドユーザー視点で、90点のものを98点に上げるために3年費やすよりも、90点のものをすぐ提案・テストして3年の間に3回改善するようなアプローチ。失敗を恐れず、スピード感を持ってすぐに行動すること」と、森澤新社長。

森澤新社長は、こうした経営ビジョンで「顧客にとってなくてはならないブランド」をめざしていく。

初の販促企画や「助太刀」との協業もスタート

また、森澤新社長のもと、同社初の販促企画「KINTAARO キャンペーン」もスタート。

KINTAARO とは、「Koki Investment on Nonrecreational Tools for Agile Actions and Rapid Outcomes 工機ホールディングスによる 素早い行動と 速やかな成果にむけた プロ向け工具の 販促投資」の頭文字をとったネーム。

「どこを切っても同じ顔が出てくる金太郎飴(あめ)のように、特定の販売ルートに『エンドユーザー視点』の統一メッセージを発信していく」という。

9月までは、木工を中心とした大工に焦点をあて、「どこでもラクに、いい仕事」というテーマを掲げる。また、6月末までの前半は、サブテーマ「どこでもラクラク。思い通りに切る」として、丸のこ中心にキャンペーンを実施していく。

さらに、建設現場などでの仕事受発注支援・損害保険取り扱い・道具調達支援・カード決済機能などを備える、建設現場と職人をつなぐアプリ「助太刀」とも協業。

同アプリ上での広告展開や、大規模職人イベントなどで、自社製品をアピールしていくという。