※BRT大船渡駅

三陸鉄道が、路線距離163kmという日本一の第三セクターになって御目出度い雰囲気が揺曳する中、盛駅から久慈駅までの直通運転に乗りに行きました。2019年4月上旬です。その中身は改めて【私鉄に乗ろう】に書きます。

盛から久慈に直通する列車は、盛駅8:05発と15:20発の2本だけです。盛15:20発が久慈に着くのは19:58。途中から完全な夜になってしまいます。と言ふことは、朝8:05盛発に乗るしかありません。泊まるなら気仙沼か大船渡です。

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気仙沼に泊まると6:30のBRT(バス)に乗らないと間に合わないので、ちょいと眠い。大船渡なら7:35のBRTで十分間に合うので大船渡に宿泊します。

で、ホテルにチェックンインして、お風呂で暖まって夕食に出ました。外は4月とは言え手袋が無いと手が凍える寒さです。

諸賢から「被災地には銭を落としてくる様に」と言われています。ところが大船渡駅周辺に開いているお店がほとんど無いのです。20時過ぎは遅すぎたのでしょうか?

チェーンの居酒屋が1件電気が灯っていましたが、これでは地元にお金が落ちません。

ウロウロ探して、ようやく一軒の赤提灯を見つけました。入店すると先客が二人カウンターで飲んでいます。この時点で20時半。とにかく、一ノ関のホームでアッサリした醤油ラーメンを食べて以来なので超空腹です。

「お腹がすごく減ってます」とママさんに伝えました。燗酒を頼んで、出てきたのは「切り干し大根と練り物の煮物少々」小皿ですから「単なるつきだし」です。

その後「輪切り大根の煮物小2切れ」それと「イカ焼き(小さなイカの3分の1くらい ホントに小さくてビックリ)」です。全くお腹はいっぱいになりませんが、「あるモノしか出せない」と言われたので諦めました。たぶんカウンターの先客に出したものでお仕舞いだったのでしょう。

相変わらずお腹は減ってます。それからは何も出てこないので会計してもらいました。熱燗4本で暖まって、会計は6000円でした。お世辞にもリーズナブルとは思えません。大根の煮物二切れと1合に満たない燗酒1本がそれぞれ1000円ですよ!(笑) 

値段は別にしても、せめて空腹を満たすモノが食べたかった。ホテルに帰っても腹ペコに飲んだお酒で気持ち悪くてよく眠れませんでした。全国チェーンのお店も居酒屋を出てホテルに帰ったタイミングでは既に閉まっていました。

次の朝、早めに出発する癖があるので(というか愚図なので)6時起きで、パッキングして7時にホテルをチェックアウト。もちろん空腹にお酒だけ飲んだ様なモノなので超二日酔いで気持ち悪いです。お茶を飲んで耐えます。

BRT大船渡駅周辺にコンビニは見当たりません。

盛駅にも自販機だけです。この日は盛8:05発で、久慈着が12:35。4時間30分、激空腹・二日酔いで、立ちっぱなしの前面展望撮影です。

これは流石に、地獄の様にキツかった。初めて根をあげそうになりましたが、蒼い顔でフラフラ前面展望を撮っている爺さんを哀れんだ三陸鉄道の方が「宮古に16分停車するし、駅そばがあるよ」と教えてくれました。

ただし、宮古着は、10:28です。それまでの2時間半近くがマジでツラかった!

長らく鉄道旅で日本全国をくまなく回っていますが、今回の大船渡は「厚岸(夜に着くと食堂もコンビニも無い)」「長門市(ホテルの近所はスナックばかり、コンビニにタクシーで往復した)」と並ぶワースト3のチャンピオン級ですね。ラーメン屋どころか、空腹を満たす店が一軒もなかった!

三陸鉄道リアス線、久しぶりに乗りました。旧山田線部分の被災が予想以上でショックでした。でも、海は何事も無かったかの様に、静かに青く佇んでいました。

大船渡に行く時は、早めに空腹を満たしておくことが肝要です。風呂を諦めて閉店前にホテルのレストランで食べておけばよかった・・・。(泣)

年寄りなので、このアクシデントが影響して、この後、体調がイマイチ優れない鉄道旅になってしまいました。たぶん寝てれば一日で体調は戻るんでしょうが、毎日早朝から鉄道旅ですからね〜。しかし、大船渡(の飲食店)には二度と近づきたくない気分です。

次回は、ちゃんと鉄道ネタに回帰しますのでご安心ください。

(写真・記事/住田至朗)