※お披露目された新デザインのゴンドラ 2019年7月31日 一橋正浩撮影

「下田ロープウェイ」が本日8月1日(木)よりリニューアル運行を開始します。新しい外観は水戸岡鋭治氏が手掛けた観光列車「THE ROYAL EXPRESS」そのもの。さらに、下田ロープウェイでしか辿り着けない寝姿山山頂には8月30日に『THE ROYAL HOUSE』がオープンするということで、今回は7月31日に行われたメディア発表会の様子をお届けします。

横浜駅から特急踊り子号に乗って伊豆急下田駅へ。駅ホームには2018年12月10日より休業していた「下田ロープウェイ」のゴンドラリニューアルの広告が張り出されていました。乗り場は駅を出てから徒歩一分ほど。

「THE ROYAL EXPRESS」のロイヤルブルーは伊豆半島の海の色をイメージしたもの。寝姿山の木々の緑によく映える色合いです。ゴンドラの内装には天然木を使用し、温かみのある空間になっています。定員はおよそ40名、寝姿山山頂までの所要時間は片道約3分30秒です。

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冷房はありませんので乗った瞬間は少し暑く感じたのですが、動き始めると同時に風が吹き込んできて涼しげな空間に早変わりしました。かつてペリーが訪れた下田湾や下田の町並みに目をやっていると、あっという間に寝姿山山頂へ到着します。

寝姿山山頂には8月30日にオープンするという「THE ROYAL HOUSE」が。

こちらは観光施設兼レストランとなっており、屋内通路はロープウェイの待合にも使えるような設計になっています。気になるお料理の価格帯はまだ確定ではないものの、「みなさんがレストランでお過ごしするような料金で考えている」とのこと。

こちらもデザインを担当したのは水戸岡鋭治氏。天然木を使用し、組子などの伝統工芸を組み入れたデザインになっています。茶室の椅子が和風でないのは、ペリーが「洋風の椅子でもてなされた」という逸話をイメージしたためとのお話でした。

また、同日は「THE ROYAL EXPRESS」専用バスも報道公開されました。THE ROYAL EXPRESSに乗車したのち、中伊豆や下伊豆などへ向かう観光の足として運行します。

定員およそ48名程度のバスの座席間隔を10cmほど広げ、定員34名(ソファ席3名)のゆったりとした空間に。デザイン・設計は列車と同じく水戸岡鋭治氏が担当しています。座席には島根の職人さんの手作りとなる赤い牛革のポシェットが設置され、フットレストも藺草を使用したものに。乗り心地は良さそうでした。

下田ロープウェイ社長の内藤誠氏によれば、リニューアル計画は三年ほど前から動いていたとのことでしたが、「THE ROYAL EXPRESS」を軸に、ロープウェイ、頂上レストラン、専用バスなどを統一的に組み込んで下田を盛り上げていくという構想が徐々に実を結んでいっているようです。以上、水戸岡鋭治氏デザインの「THE ROYAL EXPRESS」カラーになった下田の様子をお届けしました。

※伊豆高原にて、スーパービュー踊り子の車窓からTHE ROYAL EXPRESSを撮影

※「THE ROYAL EXPRESS」は水戸岡鋭治氏がデザインを手がけた観光列車。伊豆の地域を元気にしたい、素敵な旅の舞台をお届けしたい、憧れの電車を作りたいという思いで、2017年7月21日に運行を開始しました。現在までの利用者数はおよそ9000人、リピート率は10%ほど。

※記事/写真 一橋正浩