国交省、新幹線における車両及び重要施設に関する浸水対策の考え方などとりまとめ

2019.12.24

浸水被害が想定される新幹線の車両基地及び電車留置線 画像:国土交通省

国土交通省は24日、台風19号による長野新幹線車両センターの浸水被害を踏まえ、新幹線における車両および重要施設に関する浸水対策の考え方等についてとりまとめました。

基本的な考え方

浸水対策の基本的な考え方は以下の通りです。

〇計画規模降雨に対し、浸水被害が発生しても運行への影響を僅少な範囲に留めるような対策を講じることを基本とする。

〇想定最大規模降雨に対しても、従業員等の安全を確保した上で、車両の浸水被害の最小化に努めるほか、施設機能の相互補完による有効活用の可能性を検討するなど社会経済被害の軽減に努めることとする。

「計画規模降雨」とは水防法施行規則第2条第4号に規定する計画降雨のことで、河川整備においては基本となる規模です。年超過確率は1/数十~1/200程度。一方の「想定最大規模降雨」は水防法第14条第1項に規定する想定し得る最大規模の降雨のことで、こちらは年超過確率1/1000程度。イメージとしては「1,000年に1度程度の大豪雨」です。

浸水被害が想定される新幹線車両基地及び電車留置線

国交省は全国で供用中の新幹線車両基地及び電車留置線28箇所について、各車両基地などにおける盛土によるかさ上げや重要施設の設置高さ等を勘案したうえで浸水被害の有無を検証しました。

概ね50cm程度未満の浸水が想定される車両基地等においては、車両や重要施設への浸水被害は生じないことが確認されています。

計画規模降雨の場合、「長野新幹線車両センター」及び「鳥飼車両基地」に浸水被害が想定されます。ただし鳥飼車両基地については、現在建設中の安威川ダムの完成(令和5年度予定)をもって同状況での浸水被害が発生しなくなる見込みです。

想定最大規模降雨では、前記2箇所に加えて新庄運転区、浜松工場、博多総合車両所岡山支所、同広島支所及び熊本総合車両所の5箇所で浸水被害が想定されます。

具体的な浸水対策

国交省は前述の基本的な考え方を踏まえ、各鉄道事業者において、必要に応じて関係者と協議しながら具体的な対策を実施します。

重要施設では計画規模降雨により浸水被害が想定される車両基地内の重要施設のほか、信号通信機器室など運行への影響が大きい新幹線関連施設について、高所への移設や防水扉の設置、代替品の配備、電力供給の冗長化などの対策を検討。

想定最大規模降雨に関しても車両の検車・修理など施設機能の相互補完による有効活用の可能性などについて検討します。施設機能の相互補完とは、たとえば令和元年10月台風19号の際に、被災した長野新幹線車両センターの一部機能を他の車両基地で補完した事例がこれにあたります。

車両については、想定最大規模降雨により地盤面から50cm程度以上の浸水被害が想定される車両の留置場所(前述の7箇所から留置機能のない浜松工場を除いた6箇所)においては、車両避難計画など浸水被害を最小化する対策を検討。

車両避難計画の策定にあたっては、「避難の判断についての考え方」「避難場所」「避難手順」「運行再開にあたっての手順」など、施設の状況などに応じた内容を記載。

各鉄道事業者は具体的な浸水対策について、実施目標時期とともに来春をめどに国交省へ報告。国交省は鉄道事業者への防災情報の円滑な提供など、気象庁や河川管理者等の関係者と連携して取り組むべき事項について引き続き検討するとしています。

鉄道チャンネル編集部


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