駅の東側が東京都北区、西側が板橋区、南側が豊島区。そんな3区の境界付近にある「3区界の停車場」が存在する。

JR埼京線(赤羽線) 板橋駅。

この板橋駅ホームの東側、かつてセメント工場へと続く貨物駅・ヤードがあった場所に、新たな電留線が出現。

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この新たな車庫の出現で、「車両基地の三角地帯を歩く3km、1時間」という散歩時間ができあがる。

東武東上線がつくる昭和風景、シモイタ

まずは下板橋駅。JR板橋駅の電留線から、西へ900m、谷端川北緑道を伝って10分ほど歩くと、東武東上線 下板橋駅。三角屋根の地平駅舎は、Nゲージのストラクチャーにあるような雰囲気。

この下板橋駅の西側に電留線がある。日中の昼間、駅前の踏切から電留線をながめると、朝の仕事を終えた50090系TJライナーが休む姿などがある。

下板橋電留線をぐるっとまわって、再び下板橋駅に戻り、下りホームに隣接した「池袋本町電車の見える公園」で休んだり、豊島区銭湯「新月湯」で湯に浸かったり……。

シモイタからキタイケへ、イケメン特急に会いに

板橋区から豊島区へ入り、こんどは東武東上線 北池袋駅へ。

ホーム南端を横切る「赤羽線 堀之内踏切」を渡ると、3つめの車両基地、JR東日本 池袋運輸区の車庫が見えてくる。

この池袋運輸区には、山手線E231系をはじめ、空港連絡輸送を担うイケメン特急、成田エクスプレスE259系がいたりする。

――― 板橋駅西口(板橋口)から、下板橋電留線、池袋本町電車の見える公園、新月湯、赤羽線 堀之内踏切を経て、再び板橋駅東口(滝野川口)へと戻る散歩は、3.6km、45分ほど。

日本最大級鉄道ターミナルの池袋から、ひとつ離れた駅のまわりに、車両基地が3つある三角地帯。

そこは、銭湯や寺社、公園、学校が点在する静かな街。そば屋や豆腐屋といった昔ながらの店にも出くわすから、急がずゆっくり歩いてみて。