(前回)田園風景の中をのんびり・ゆっくり走る 富良野・美瑛ノロッコ1号乗車記【4】ラベンダー畑・中富良野編
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新型コロナウイルスの影響を受けて延期されていた「富良野・美瑛ノロッコ号」の運行が約1ヵ月遅れて開始されました。本年は富良野線開業120周年記念として、スタンプラリーなど特別企画が用意されています。今年度初運転となる7月18日に富良野・美瑛ノロッコ1号に乗車しました。今回は終点となる富良野駅とその周辺を紹介します。

富良野駅到着

へそ丸がお出迎え

中富良野でラベンダーの妖精に見送られたノロッコ号は、11時31分に終着駅である富良野駅に到着しました。ホームでは富良野のゆるキャラ「へそ丸 」がお出迎え。毎年7月に富良野市で開催される「北海へそ祭り」をPRするために誕生。 1969年にデザインされたイラストを元に40年以上の時を経て2011年7月に立体化されました。

富良野限定のポテトチップス

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乗客にポテトチップスがプレゼントされました。富良野地区限定品で市内の有限会社リカーショップ ニシノが販売。調味料に頼らず味付けは塩のみ。サクサクとした触感で、じゃがいものおいしさがダイレクトに伝わってきます。

フラノラベンダーエクスプレスとノロッコ号

ノロッコ号の隣には、札幌と富良野を結ぶ「臨時特急 フラノラベンダーエクスプレス」が停車しています。2020年度のダイヤは札幌を7時53分に出発して、富良野に9時49 分に到着。12時2 分発のノロッコ2号に接続しています。ノロッコ号を引率しているのはDE15というディーゼル機関車です。おもに構内での入換作業で使われるほか、冬はラッセルヘッドが装着され雪から鉄路を守っています。

120年前に「下富良野駅」として開業

富良野駅は北海道官設鉄道十勝線の「下富良野駅」として1900年8月1日に開業しました。1942年4月1日に富良野駅に改称され、1949年6月1日に日本国有鉄道に移管されました。 富良野の由来は、アイヌ語の「フラヌイ」(臭・もつ・所)が転訛したとされており、十勝岳を水源とする富良野川が硫黄の臭気を含むことからそう呼ばれたと考えられています。

ドラマ「北の国から」で脚光を浴びる

跨線橋の階段にドラマのシーンが描かれている

富良野の地名を全国区に広げたのは、1981年に放送を開始した「北の国から」の功績が大きいでしょう。富良野を中心とした雄大な自然の中で田中邦衛が演じる黒板五郎と2人の子どもの成長を描いたドラマで、続編も含めて21年間にわたり放送されました。ドラマの人気とともに富良野を訪れる人も増え、最終作が放送された2002年度には約250万人もの人が富良野を訪れました。今でも市内各地に当時の面影が残されています。

お土産を買うならフラノマルシェ

街のあちこちで見かける「ふらの」のロゴは、富良野ワインが発祥

旅も終わりに近づきました。 お土産を買うなら富良野駅から徒歩8分ほどの「フラノマルシェ」がおすすめ。「フラノマルシェ」は、市民の発案と行動力によって誕生した民間施設です。富良野の生乳で作られたソフトクリームやジェラードを味わえるほか、地元で作られたフルーツ、野菜などを販売しています。 富良野産のワインやチーズも販売しているので、車窓を楽しみながらそれらを味わうのもよいでしょう。ラベンダーの香りが美味しさに彩を添えてくれますよ。富良野の夏は始まったばかり。ノロッコ号に乗りに出かけませんか。

文/写真:吉田匡和