中日本航空、名古屋鉄道(名鉄)、ANAホールディングスは1月13・14日(予備日1月27・28日)、三重県との受託契約にもとづき、「空飛ぶクルマ」が実用化されたさいのルートを想定し、ヘリコプターで実証実験を行う。

実験飛行区間は、志摩スペイン村 第3駐車場(三重県志摩市磯部町坂崎)から中部国際空港(愛知県常滑市セントレア1)まで、片道約60km。各日1往復 2フライト、計4フライトする。使用機材は、ベル430(巡航速度230km/h 定員8名)。

空港内で旅客便から「空飛ぶクルマ」への乗り継ぎを想定し、実際に搭乗者の乗り換えを通じて課題抽出する取り組みは、全国初。

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今回の実証実験では、観光ビジネスへの「空飛ぶクルマ」の活用を目的に、「空飛ぶクルマ」の代替としてヘリコプターを活用した志摩スペイン村 第3駐車場~中部国際空港 間での旅客輸送、実際の旅客機を利用した旅客の中部国際空港での乗り継ぎ、地上交通を利用した旅客の志摩スペイン村や中部国際空港での乗り換えを試し、ルート飛行での法令や手続きに関する課題の抽出、空港や場外離着陸場の利便性などを確認する。

名古屋鉄道は、場外離着陸場まで(から)の人員輸送を支援する。また中日本航空は、場外離着陸場の設置、運航にかかる手続き(申請)、天候判断、場外離着陸場での保安検査、ヘリコプター運航、運航管理などを、ANAホールディングスは中部国際空港内での旅客誘導を、三重県は地域と関係者の調整などを行う。

現在、三重県志摩市と中部国際空港間の移動には、地上交通を利用した場合、高速道路利用で約2~3時間、鉄道利用で3時間半以上かかる。そこを、空を使った移動で約20分。大幅に時間を短縮でき、交通利便性が大きく向上する。

「空飛ぶクルマ」は、電動・垂直離着陸型・自動(無操縦者)など、身近で手軽な空の移動手段として期待されている新たな空のモビリティ。

現在、世界中で機体や各種関連技術開発がすすみ、都市や地方の課題解決に期待がかかる。国内では、空の移動革命にむけた官民協議会を設立し、実用化にむけたロードマップを策定、ユースケースの検討や環境整備などの検討が行われている。