古くて新しい香椎線、117年続く線路を行く架線式蓄電池電車からみえる物語

2021.02.13

キハ47などの国鉄形気動車に替わり、JR九州の最新型車両 BEC819系 DENCHA が走りはじめた路線―――香椎線。

このコロナ禍で、ことしも青春18きっぷが発売されるってことで、春の18旅にむけて、乗ってみたい路線のひとつ、香椎線をチェック。

香椎線は、博多湾の西戸崎と炭鉱で栄えた宇美を結ぶ、両端が行き止まり駅の25.4km。

そのルーツは、糟屋炭田でとれた石炭を西戸崎港へと送る博多湾鉄道。1904(明治37)年の開業から、117年の歴史をもつ路線のひとつ。

注目の車両は、架線がない非電化区間を走る、交流架線式蓄電池電車 BEC819系 DENCHA 。

エンジンなどを搭載せず、香椎駅でパンタグラフをあげて充電し、非電化区間を搭載するバッテリーで走る。これに似たスタイルが、JR東日本の烏山線(宝積寺~烏山 20.4km)。蓄電池駆動電車 EV-E301系 ACCUM がバッテリーで走る。

香椎線はその中間地点にある香椎駅で電車が充電するのに対し、烏山線はその末端駅の烏山駅で充電する。

旧志免鉱業所 竪坑櫓の下に貨物線跡

(画像:志免町)

まずは山側なのに宇美駅(うみえき)行きに乗ってみる。降りてみたい駅のひとつに、長者原駅がある。

香椎線と篠栗(ささぐり)線が交差する長者原(ちょうじゃばる)駅は、意外と開業年が最近の1988(昭和63)年。

篠栗線の前身 九州鉄道と、香椎線の前身 博多湾鉄道の交差地点にできた長者原駅は、もともと別会社の交差地であったことから駅を設けていなかった。

両線は石炭を港へ運ぶという目的は同じでも、別会社なうえに別々の港へ運ぶってことで駅を置かなかったという経緯。

次は、酒殿(さかど)駅で降りてみたい。この酒殿には、かつて存在した勝田線 志免(しめ)駅につながる貨物線(香椎線支線)の跡が残っている。

その面影を残す公園が、志免鉄道記念公園。Googleマップでは、酒殿駅と志免鉄道記念公園の間に、きれいなS字カーブがみえる。これが香椎線支線(貨物線)の跡。

志免鉄道記念公園のすぐちかくには、旧志免鉱業所 竪坑櫓(きゅうしめこうぎょうしょたてこうやぐら)もあるから、こちらも立ち寄りたい。

――― 香椎線の山側には、こうした見どころのほかに、国鉄 勝田線の跡や、デルタ線を使った客車方向転換、宇美駅の変遷といった物語が点在している。

もちろん、海側の西戸崎へむけて走る BEC819系 DENCHA のなかからも、いろいろ歴史が詰まってる。

古くて新しい香椎線の時間。西戸崎と博多を結ぶ福岡市営渡船に乗る時間も、楽しみ。

(画像:2011年7月)


LINEで送る

オススメ記事

こちらの記事もオススメです