標準軌1435ミリでも、狭軌1067ミリでもない、都電荒川線や東急世田谷線と同じレール幅1372ミリの都心直結路線―――京王線。

そのすぐ南側を走る小田急線は、複々線化や地下化された区間があるなか、京王線はいまも“昭和の私鉄沿線”を想わせる区間が残っている。

そんな京王線にも、ドラスティックに変える計画が動いている。東京都を事業主体とする京王線 笹塚駅~仙川駅間 連続立体交差事業だ。

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小田急線は地下化したのに対し、この京王線 笹塚~仙川 7.2kmは、高架化する。

この高架化が実現すると、25か所の踏切が消え、7か所の都市計画道路が立体交差化、さらに側道も整備される。

ここで気になるのは、これまで慣れ親しんだ風景が、大きく変わること。

下高井戸駅前市場前もそのひとつ

清水・三井住友JVが担う第3工区に含まれる下高井戸駅とその前後も、その他の工区と同じく工事は難しい。

既存線路の南側に高架橋の1線ぶんの“片脚”を設置し、できあがったら下りの地上線を高架線へと移す。

その下り地上線跡地に、こんどはもう片方の“片脚”を設置し、できあがったら上りの地上線を高架線へと移す……。

駅ホームも大工事。線路・駅の外側を走る道路を移設し、鉄道付帯街路にし、既存ホーム両脇に基礎工を構築。

門型断面の2階ホーム部分ができあがると、下り線から1線ずつ2階部分へ線路を移設していく……。

こうした工事で高架化されると、画像のような下高井戸駅前市場前の風景も大きく変わる。画像は2012年のロケ時。

下高井戸駅前市場の建物は、1956年築。60年を超える建造物で、「昭和レトロな雰囲気がただよう空間」。

下高井戸1号踏切からみえる、線路越しの下高井戸駅前市場の風景も、いまのうちに記憶にとどめておきたい光景。

踏切脇で営む焼き鳥屋での一杯も、思い出になりそうだから、再訪しておきたい。

―――難工事が連続する京王線 高架化工事。桜上水にある電車留置線がどう高架化されるかも、気になる。