銚電ファンであふれ返ったJR新宿駅での販売会

本業の鉄道事業以外にさまざまな物品販売で話題をまく銚子電気鉄道。最近力を入れるのは、銚子発東京方面行きの高速バスを活用した貨客混載による東京での商品販売だ。

銚子電鉄とジェイアールバス関東、JR東日本グループで駅ショップを運営するJR東日本クロスステーション、それにJRバス関東の子会社でバス活用のサービスを手掛けるジェイアールバステックの4社は、高速バスを活用して銚子産品を貨客混載輸送する軽貨物運送をスタート。初日の2021年7月2日は、JR新宿駅構内のNewDays(ニューデイズ)ショップ前で、4社共同の銚電オリジナル商品や銚子産品販売会を開催した。

ここ10年間ほどは、ぬれ煎餅や、まずい棒といったオリジナル商品の売り上げが鉄道事業を大きく上回り、どちらが本業か分からない銚子電鉄だが、やはり鉄道あってのオリジナル商品。多くの銚電ファンは、「少しでも鉄道の維持・再生につながれば」と考えて商品を購入する。オリジナル商品は、「皆さまの温かい心が、廃線の危機を救った奇跡のぬれ煎餅」、「まずい棒はウマい。まずいのは経営状況です」などと、キャッチコピーもなかなか秀逸だ。

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今回は銚子―新宿間の高速バスによる軽貨物輸送スタートに合わせ、新宿での販売会を企画。目玉は新商品の「銚電マンアイス」で、チョコレート味のアイスにオリジナルシールを付けて販売したが、20本限定とあって即完売した。

会場には銚電の竹本勝紀社長も駆け付け、陣頭指揮で商品を売り込み。先日の定時株主総会では、株主側から「銚電は鉄道事業をやめて、商品販売に専念した方が利益を確保できる」の本音ともジョークとも取れる発言もあったが、「これからも頑張る鉄道の姿を力強く発信したい」と元気いっぱいに商品をPRした。

文/写真:上里夏生