どうなる東京の地下鉄ネットワーク メトロ有楽町線延伸と品川新線は「早期の事業化を図る」 交政審答申を深読みすれば【コラム】

2021.07.31

東上線とスカイツリーラインの東武2線がつながる

江東区が作製した豊住線のルート案。東陽町駅南側には東京メトロ深川車両基地があります(画像:江東区)

答申に盛り込まれた新線の運行系統などを予想してみましょう。最初は豊住線から。

豊住線は有楽町豊洲で分岐して東陽町でメトロ東西線に接続。半蔵門線住吉につながります。営業キロ約5.2キロ(建設キロ約4.8キロ)で、駅は有楽町線側から豊洲、ステーション1、東陽町、ステーション3、住吉の5駅。利用客数1日当たり27万3000人~31万6000人。費用便益性、いわゆるB/Cは2.6~3.0で、十分に元が取れます。

有楽町線は東武東上線や西武池袋線、半蔵門線は東武スカイツリーラインとそれぞれ直通運転しますから、あくまで想像ですが、メトロ有楽町線と半蔵門線を経由して、東上線とスカイツリー線という東武2線の直通運転が実現するかもしれません。

延伸線とメトロ東西線が接続する東陽町駅(地上部)。駅上にはバスターミナルがあり、交通結節機能を受け持ちます(筆者撮影)

品川新線は埼玉スタジアム線にもプラスの効果

品川新線のルート案と品川駅周辺の開発動向。AルートとBルートではホームの向きが違います(資料:交通政策審議会)

次に品川新線。メトロ南北線・都営三田線の白金高輪から分岐して、品川に至ります。ルートは2案あり、答申でもどちらを採用するかは示されませんでした。利用客数1日13万4000人~14万3000人。費用便益性は2.5~3.1で、こちらも元が取れます。

ルート案で線形を見ると、南北線飯田橋、四ッ谷方面から品川に直行でき、目黒や東急目黒線からは白金高輪でのスイッチバックというか方向転換が必要になります。将来の話ですが、おそらく品川行きは飯田橋方面から直通運転。目黒方面からは、同一ホームの反対側乗り換えになるのではないでしょうか。

南北線は埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線と相互直通運転しており、埼玉スタジアム線は東武アーバンパークライン岩槻やJR東北線蓮田への延伸計画があります。実現すれば、アーバンパークライン沿線から品川への直行が可能になります(JR東北線は上野東京ラインで現在も品川に直行できます)。品川新線は、スタジアム線延伸にも一定のインパクトをもたらすでしょう。

「必要な取り組み進める」(赤羽国交相)

答申を受けて小池都知事とオンライン会談する赤羽国土交通大臣(画像:国土交通省)

臨海部新線に関しては都が交政審小委員会に必要性を示す資料を提出していますが、紙数が尽きたので紹介は次の機会に。

答申を受けた赤羽大臣は、「関係者と連携しながら、新線整備の前提になる公的支援や株式の確実な売却に必要な取り組みを進める」とコメント。早速、小池百合子都知事とオンライン会談して協力関係を確認しました。

東京メトロは、「豊住線と品川新線については、十分な公的支援と株式の確実な売却を前提に取り組みたい(大意)」と、答申を歓迎する考えを示しました。

文/写真:上里夏生


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