西日本鉄道が東京・日本橋で11月22日に開いた西鉄グループ事業戦略説明会で、あらためて福岡のポテンシャルの高さを感じてしまう。

会場には、西日本鉄道 田川真司 常務執行役員(天神開発本部長・福ビル街区開発部長)、西鉄グループ 林田浩一代表(西日本鉄道 代表取締役社長執行役員)が登壇し、田川常務による「福岡市「天神」まちづくり」を聞くと、そのダイナミックで繊細なまちづくりの内容が伝わってくる。

まず天神ビッグバンともいわれる福岡・天神地区のポテンシャルにあらためて驚く。

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福岡・天神を中心に円を描くと、東京・中国大連・中国上海が同心円状の1000km圏にある。500km圏には大阪・韓国ソウル、1500km圏には札幌・中国北京・台湾台北がある。

「福岡は、アジアの玄関口として、アジアの主要都市とのアクセスに非常に優れた立地を誇っている」という田川常務の言葉に納得してしまう。

そして交通機関の優れたアクセス性。天神エリアから、福岡空港へは福岡市地下鉄で11分、博多駅へは5分、韓国への定期便が出入りする博多港へはバスで14分。

福岡は、東京や名古屋、大阪の経済成長率が落ち込むなか、右肩上がり。都市人口における若者比率や、起業希望者割合、物価が安い都市、ビジネスマンが選ぶ住みよい街、通学・通勤の利便性など、ダントツのトップに君臨する。

こうした地の利を活かして、西鉄グループが事業を加速させるのが……。

福岡の新ランドマーク、福ビル街区建替プロジェクト

福ビル(福岡ビル)は、天神交差点の角(中央区天神1丁目11-17)にあった、西日本鉄道が所有する商業ビル。ここに西鉄本社があった。

西鉄グループはこの跡地に、地上19階、塔屋1階、地下4階の新たなランドマークを建設中。ことし新築工事着工に入り、2024年竣工・2024年度内オープンをめざすのが、福ビル街区建替プロジェクト。

西日本鉄道 田川真司 天神開発本部長・福ビル街区開発部長が「ここに注目してほしい」というのは、6・7階のスカイロビー。

6・7階は、8階以上のオフィスフロアと5階以下の商業ゾーンを結ぶ乗り換えフロアで、「このスカイロビーにコワーキングや会議室、ジム、カンファレンスなどが入る」という。

デザインはアメリカ大手建築設計事務所KPFによるスタイリッシュでモダンな意匠に。また隠れたところにも感染症対応を施し、たとえば高層ビルなのに常時窓を開けて換気ができるダブルスキンを採用していたりする。

このほか、非接触エレベータシステム、Wi-Fi 5G 環境、天井高3メートルのハイスペックオフィスなどを組み入れ、「福岡で最高の立地、西日本最大の基準階面積」を誇る新たな天神のランドマークがいよいよ姿をみせ始めるという。

画像:鉄道チャンネル/福岡市/西鉄
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/