中国 成都・重慶と、ラオス ビエンチャンを結ぶ中国ラオス鉄道の国際列車が走り出した。

中国ラオス鉄道は北部の雲南省から出発し、中国とラオスの国境にあるモーハン口岸を通り、ラオスの首都ビエンチャンに到着する鉄道。

同鉄道は中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の間で行われている多数の大規模プロジェクトのひとつ。

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今回、成都・重慶を出発した国際列車の積載物は、小型商用トラック、ナッツ、オートバイ部品、化学製品など。

中国ラオス鉄道の国際列車は、12月からそれぞれ成都国際鉄道港(Chengdu International Railway Port)と重慶国際物流拠点パーク(Chongqing International Logistics Hub Park)を出発。雲南省を経て、3日以内にラオスの首都ビエンチャンに到着する。

成都を出発した列車は、青白江区を拠点とする企業 Sinotruk Chengdu Commercial Vehicle が製造した小型商用トラックを積載。

これまで同社は、成都からビエンチャンに製品を輸出するさいには、およそ2000km、約10日間の道のりをドライバーが直接運転して製品を運ぶようドライバーを手配する必要があった。

それが、この中国ラオス鉄道の開通で、この輸送時間はわずか3日になり、大幅に短縮された。

Sinotruk Chengdu Commercial Vehicle の担当責任者 Wu Kunsheng 氏は「これまでのハイウエーを使った輸送に比べ、鉄道による輸送は労務コストを大きく削減して時間を節約できるだけでなく、安全かつ信頼性も高い。さらに、製品の品質をより良く保って貨物が保護されるなど、他のメリットもある」と語る。

また、Chengdu International Railway Service Co., Ltd の Chen Zejun ゼネラルマネジャーは「成都は中国ラオス鉄道の正常な運行に重点を置きながらラオスと協力し、実際の物流ニーズに基づいて、複合一貫輸送と積み替えセンター、倉庫・物流産業パーク、農業実証パークなどを共同で建設し、輸送と貿易の統合的な発展を促進する」と伝えている。

成都国際鉄道港は、中国の西方と南方への開放の取り組みで出入口となる重要拠点。

現時点で開通した国際列車ネットワークとグローバルな陸海貨物輸送システムは、成都を中心に欧州へと西に伸び、モンゴルとロシアで北に達し、日本・韓国へと東につながり、南は ASEAN 圏まで伸びている。

現在、この国際列車ネットワークは中国外の67都市と国内の20都市を接続。

成都・欽州・ASEAN ルートに関する鉄道・海のインターモーダル列車出発データによれば、2020年に1億米ドル以上に相当する約1万コンテナが列車貨物で南に向けて輸出された。

今回の中国ラオス鉄道の開通で、南に向かう国際列車ルートを拡大するという成都国際鉄道港の取り組みはさらに強化される見込み。