「103系のご利用、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした」

3月11日、奈良線を行く吹田総合車両所奈良支所所属103系の車内で、乗務員はこんなメッセージを伝えた。

この車掌のアナウンスのとおり、奈良支所に2本いる103系 NS407編成・NS409編成はこの日、定期運用を離脱。

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国鉄がつくった通勤型電車103系の量産車は、東京オリンピックが開催された1964年に登場。

そこから20年かけて、全国各地の直流電化路線へむけて量産された。その数、なんと3400両以上。

国内の鉄道車両形式のなかで、最も多くつくられた形式としても知られる。

また、NS407編成の先頭車 クハ103 216 とクハ103 215 は、1973(昭和48)年に日本車輌製造を出場し、東京の山手線に投入されたくるま。

JR西日本 京阪神圏で活躍していた103系も、いよいよ絶滅危惧種へ。

登場当時のオリジナルな面影を色濃く残す103系は、和田岬線(山陽線支線)などを走る網干総合車両所明石支所103系R1編成などが残るのみか。今後のゆくえが、気になる。

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画像:Keiji-tekito-NISHINO–PIXTA