京王電鉄 9000系 がスタイリッシュに生まれ変わる!リニューアル第一編成の内装をご紹介、内装・座席はどう変わったか旧車両と比較

京王電鉄の「9000系」は2001年1月に営業運転を開始した通勤電車。当初は8両編成のみでしたが、2006年には都営新宿線の乗り入れに対応した10両編成が登場しました。普段から京王線や都営新宿線をお使いの方にとっては、見慣れた車両でしょう。
そんな 京王 9000系 の10両編成が2025年春から順次リニューアルします。VVVFインバータ制御装置やSIV装置(車両用補助電源装置)を更新することで、より環境性能に優れた車両になるだけでなく、内装もスタイリッシュなものに変わっています。今回の目玉である内装は、天井から床までモノトーンで統一されたスタイリッシュな空間に生まれ変わり、特にこだわったという座席は、八王子の伝統工芸「多摩織」をモチーフにしたデザインと、クッション性に優れた「Sバネ」の採用で、“ふかふか”の座り心地になっているといいます。
京王電鉄は2025年3月8日に、若葉台車両基地で最初のリニューアル車両を公開しました。

リニューアル第一編成はなんと、3月10日(月)から運行を開始する「サンリオキャラクターのラッピングトレイン」(9731編成)です。京王電鉄は今後、毎年1~2本程度のペースで9000系の「10両編成」を更新していく計画を明かしています。(8両編成のリニューアルについては検討中とのこと)。
「サンリオキャラクターのラッピングトレイン」については別記事に譲るとして、本稿では主に、内装の変化、座席、座り心地など、京王9000系リニューアル車両を旧車両と比較しながら、詳しく説明します。
スタイリッシュでモダンな空間
まずは比較用にリニューアル前の車内写真を、京王電鉄からお借りすることにします。
続いてリニューアル後の写真がこちら。

報道公開のなか、京王電鉄は「天井から床までをモノトーンに統一することで、落ち着いた空間を作らせていただきました」とデザインの意図を説明します。
床面に黒を配し、座面生地、背摺り生地にそれぞれ異なるデザインを採用。全体としては床から天井へ向かって配色を明るくすることで、空間を広々と演出しています。街並みがデザインされたガラスタイプの袖仕切りもまた、開放感の演出に一役買います。
座面のモチーフは八王子市の伝統工芸品である多摩織物。繊細な手触りや感触をイメージしたものとなります。一方の背摺り生地には商業施設や高層ビルが立ち並ぶ景観をイメージした幾何学模様を採用しており、生地のグラデーションで郊外から都心へと移り変わる町並みの明るさを表現します。
車端部にはベビーカーや車いすをご利用の方にも便利なフリースペースを配置。床面は京王レッドで視覚的に分かりやすくしました。優先座席は一般座席とほぼ同じデザインですが、青のラインを入れることで違いを分かりやすくしています。また、優先座席の縦握りにはディンプル加工(滑り止め防止)を施し、座席から立ち上がりやすいよう配慮しています(一般座席の縦握り棒も増設しました)。
一番のポイントは? 担当者いわく、「座席です」。従来はシート板タイプというクッション材を置くだけのものでしたが、今回はクッション性の高いSばねを採用。座り心地が良くなっているといいます。普段使いされる方にとってはとても嬉しい更新ですし、座席鉄の方はぜひ従来の9000系と比較してみてください。
ところで、リニューアル第一弾が「サンリオキャラクターのラッピングトレイン」となったことで、「第二弾以降の外観は変わるの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。
京王電鉄は井の頭線の1000系について車体外観に変化を加えることを発表済み。9000系のリニューアル車もそれに近い変更が加えられる可能性はありますが、詳細については車両部門の方で検討しているとのことでした。
【参考】「前面展望見やすくなる」意外な変化も 京王電鉄、井の頭線で自動運転実証試験へ まずは回送列車から https://tetsudo-ch.com/12997793.html
【関連リンク】