久しぶりに、行楽列車らしい車内のにぎわいをみた。

2022年JR東日本ダイヤ改正後最初の平日、3月14日。上野10時発 特急 草津 1号 は、上野を出た時点で1両に7割の客がいるほど、きゃっきゃと笑い声が聞こえるにぎやかな車内に……。

笑い声は、春休みで温泉やスノーボードに行く高校生や大学生、専門学校生たち。駅弁を喰らう10代がいれば、缶ビールを開ける20代学生もいる。そのなかで、静かにパソコンに向き合う出張客が数人……という具合。

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新前橋で運転士・車掌が乗務員交代し、快晴の赤城山や冠雪の谷川岳を右車窓に映しながら、大宮総合車両センター所属651系 特急 草津 1号 は、いよいよ上り勾配が続く吾妻線へ。

新前橋を過ぎた時点で、降りた客はビジネス客のみ。大宮から飛び乗ったスーツ姿の女性は、特急券の車内精算を済ませ、熊谷で降りた。

吾妻線へ入ると、さらに車内はにぎやかに。学生グループの会話はさらにヒートアップし、車内は楽しい話題でいっぱいに。

吾妻線 金島をすぎると、上越新幹線の高い高架橋がみえてくる。小野上駅では、砕石の山が右手車窓にみえて、貨物用の3番線がみえる。きょうはホキ800などのホッパ車の姿がなかったことから、どこかへ運搬しに出ているのか。

―――結局、終着駅の長野原草津口駅まで、7割を超えてるんじゃないかという乗車率で、にぎやかな客を乗せて運んだ651系 特急 草津 1号。

10代・20代の乗客たちは、吾妻線の車窓などにはちらっと目をやるだけで、みんなでスマホで自撮りしては、きゃきゃきゃと笑っていた。あとはここに、車内販売があれば……。

画像:Nabe-PIXTA