西九州新幹線の「対面乗換」ってどのくらい時間がかかるものなの? JR九州が武雄温泉駅でシミュレーション

2022.07.21

武雄温泉駅へ到着する新幹線N700S「かもめ」車両

西九州新幹線武雄温泉駅~長崎駅間(約66キロ)は、武雄温泉駅で新幹線・在来線特急を同一ホームで乗り換える「対面乗換方式」で2022年9月23日(金)開業。博多駅~長崎駅間の所要時間は最速で約1時間20分となり、現行の在来線特急と比較して約30分短縮される見込みです。

武雄温泉駅で行われる対面乗換はどのようなものになるのでしょうか――JR九州は2022年7月20日、西九州新幹線「かもめ」と特急「リレーかもめ」の対面乗換シミュレーションを報道陣に公開しました。

シミュレーションの手順(画像:JR九州)
実際の対面乗換時の動き

シミュレーションは、西九州新幹線開業後に利用者が安全・円滑に対面乗換できるよう、設備や案内放送の確認、課題の抽出などを目的として行うものです。今回はJR九州の社員約300名が乗客役として参加し、「リレーかもめ」に使われる885系車両(6両編成)・787系車両(8両編成)と西九州新幹線 N700S かもめ(6両編成)を相互に乗り換えました。

武雄温泉駅10番のりばに停車する885系特急車両
武雄温泉駅10番乗り場に停車する787系特急車両

ホームの幅は約10メートル、乗換時間は最短3分です。リレー特急と新幹線を乗り継ぐ場合、基本的には移動距離が短くなるよう同じ号車に座席を割り振ります。もちろん車両長や座席数などは異なりますので、多少の調整は入るものの、「武雄温泉駅で停車したらホームの向かい側の列車に向かってまっすぐ歩いていく」というイメージで捉えておけばおおむね問題ないでしょう。

実際に乗り換えてみた

実際にN700S「かもめ」から787系「リレーかもめ」への乗り換えを試してみました。タイムの計測は新幹線「かもめ」の扉が開いた瞬間から開始。同じ車両の乗客(役)が全員車外へ出た後に席を立ち、対面の787系特急に乗り換え、車内に入ってから号車を1車両分移動し、空いている座席に着席してタイマーストップ。かかった時間は1分45秒程度でした。

N700S「かもめ」車内から移動する様子
ホーム向かい側に停車中の787系へ乗り込みます

3分もあれば十分過ぎるようにも思われますが、実際には乗客全員が対面乗換方式を完璧に把握しているということはありません。また通路やデッキまで立ち客で溢れるような混雑時、高齢者や車いす使用者の移動を補助するケースなども想定する必要があります。中でも車いすは、対応する車両の位置が異なることもあり、若干まごついているような印象も受けました。

普段から車いすを使用している社員も参加しています

今後はシミュレーションに参加した社員にアンケートを取るなどして、対面乗換がよりスムーズに行えるよう手順や案内表示などをブラッシュアップしていきます。西九州新幹線はすでに鉄道・運輸機構による車両走行試験も完了しており、現在は訓練運転や異常時の訓練などを重ね、9月23日の開業に向けて着々と準備を整えている段階です。

対面乗換方式そのものは2004年の九州新幹線新八代駅~鹿児島中央間部分開業時にも採用されており、新八代駅で「つばめ」と「リレーつばめ」の対面乗換が行われていました。この方式は2011年3月の九州新幹線全線開業まで約7年間続いています。

記事:一橋正浩


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