九州ブースには西九州新幹線「かもめ」のボードがお目みえしました(筆者撮影)

政府が訪日個人客の受け入れ再開を決めるなど、観光リスタート(再起動)の流れが鮮明になりました。日本を訪れる外国人に常に高い関心を呼ぶ鉄道の世界も、西九州新幹線開業をトップに明るいニュースがあふれます。そんな活気に満ちた鉄道界を実感したのが、2022年9月22日から4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた「ツーリズムEXPOジャパン2022」です。

日本最大、アジアトップクラスの〝観光・旅行見本市〟の東京実開催は2018年以来4年ぶり。出展者は47都道府県すべてと世界78ヵ国・地域、民間1018社・団体。もちろん、鉄道界からも多くのニュースが発信されました。本コラムは会場内で見つけた、鉄道ファンの皆さんに興味を持っていただけそうな話題を、アトランダムに取りあげました。

鉄道会社は地域連携で出展

会場はビッグサイトの4ホール。主に国内自治体・団体、海外の国・地域、国内旅行会社の3分野でゾーニングしました(筆者撮影)

イントロは、「あらためて観光・旅行見本市」とは? 旅行者を受け入れる地域や企業が、「当地では、こんな魅力的な体験ができます」と一般消費者(旅行者)にPRするイベントです。

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ツーリズムEXPOを主催したのは国内地域がメンバーの「日本観光振興協会(日観振)」、旅行会社の業界団体「日本旅行業協会(JATA)」、海外に日本の魅力を発信する「日本政府観光局(JNTO)」の3機関。

鉄道会社の出展形態では、JR東日本が東北観光推進機構、JR北海道が北海道観光振興機構、JR西日本がDISCOVER WEST連携協議会と共同ブースを構えるなど、地域連携型が目立ちました。エリアをつなぐ鉄道は、観光振興でも地域の絆なのでしょう。

「佐賀・長崎には何がある?」

EXPO一番の注目株は、もちろん「西九州新幹線開業」。開業日の2022年9月23日は、ツーリズムEXPOの開催期間に重なりました。

乗り鉄の方はさておき、一般の方の関心は「佐賀・長崎には何がある?」 JR九州は九州7県とともに、〝オール九州〟でブースを構えました(出展者名は「九州」)。

ブースで見つけた佐賀・長崎の観光をワンポイント。新幹線諫早駅は駅名に温泉はつきませんが、近隣には温泉があります。長崎県雲仙市の小浜温泉。諫早駅からバスで約1時間、島原半島西側、雲仙国立公園の一角に位置する温泉の泉源はおよそ30ヵ所。湧出量1日1万5000トンは、「熱量日本一」に認定されます。

小浜温泉では、Iターン・Uターンの人たちがユニークなアイスクリーム店を開店するなど、新しい魅力を生み出します。西九州新幹線の隠れた開業効果かもしれませんね。