2023年3月のスタート時にあわせた「オフピーク定期券」のビジュアルイメージ(資料:JR東日本)

平日朝のピークを除く時間帯に利用できる割安な「オフピーク定期券」――

JR東日本が2023年3月の春のダイヤ改正を機に、発売を開始した新しい定期券だ。平日朝のピーク時間帯は通常のIC運賃が引かれるが、それ以外は通常より割安の定期券として利用できる。いったいどんな人が利用しているのか?

JR東日本は2023年9月の深澤祐二社長の定例会見で、オフピーク定期券利用者を対象にした、インターネットアンケート調査の結果を発表した。

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アンケートは2023年6月に実施。約6000件(人)の回答があった。利用者の業種別は、「サービス業」が最多で、「流通・小売」、「IT(ソフトウエア・通信)」が続いた。

勤務先の企業などの従業員数は、1000人以上と、5人以上100人未満が、いずれも約3割。コロナ禍でのリモートワーク普及をきっかけに、業種や規模に関係なく、オフピーク通勤を推進する環境が整いつつある。

企業側による通勤手当の支給形態としては、「通常定期券分を全額支給」が5割強、「出勤回数などに応じて実費精算」が2割弱。(オフピーク定期券が使えない)ピーク時間帯の利用時の交通費至急は、自己負担が5割弱、勤務先負担が約4割。自腹の割合がやや上回った。

オフピーク定期券の利用後の通勤に対する意識変化では、「オフピーク通勤を積極的に取り入れる」の設問に、「当てはまる」と「やや当てはまる」を合計した肯定派が76%に上った。

追加情報では、オフピーク定期券の発売枚数が通勤定期券全体に占める割合は、5月が約6%、6、7月がいずれも約7%。2023年度末時点の目標は17%、ピーク時間帯からの利用者のシフトは5%程度で、まだまだ普及途上といった状況だ。

JR東日本は、定期券の買い換え需要が高まる年度下期スタートに合わせ、「はじめよう!オフピーク定期券」キャンペーンを展開する。期間は2023年9月25日~10月22日の約1ヵ月間。期間中にオフピーク定期券を新規・継続購入すると、JR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」などを抽選でプレゼントする。

記事:上里夏生

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