群馬県が鉄道イベントを主催する理由 「頑張るぐんまの中小私鉄フェア2023」盛況のうちに開催【取材ノートから No.15】
「地域資源を目に見える形に資産化」
前半は、若干堅い話になりました。後半は、わ鐵の大間々駅でのイベントをレポートします。
わ鐵のルーツは国鉄足尾線。足尾銅山の銅鉱を運んで日本の産業発展に貢献しましたが、1973年の閉山などで輸送量は減少。JR東日本が短期間運行した後、1989年に第三セクター鉄道に転換されました。
わ鐵が2013年に公表したのが「知的資産経営報告書」。報告書では、「観光や産業振興につながる沿線の地域資源を、社内外を合わせた人材の力で、目に見える形に資産化することが、わ鐵のDNA(遺伝子)」と宣言します。
洗浄機体験、DLの運転室乗車体験……
フェア会場の大間々駅には、数多くの鉄道体験イベントが用意されました。「普通列車車両に乗車して洗浄機体験」は、今や鉄道イベントの定番中の定番です。
「DL(ディーゼル機関車)・DE10の運転室乗車体験」にも、長い列ができました。わ鐵は全線非電化で、一般列車は気動車で運転されますが、客車編成のトロッコ列車をけん引するのがDE10、2両在籍します。全部で708両も製作されたDE10ですが、そろそろ廃車される車両も出始めています。参加者にとって貴重な機会になったはずです。
JRや秩父鉄道が友情出展
会場のブースを一回りしましょう。上電、上信、わ鐵の3社はそれぞれのグッズを発売。旅行業の免許を持つわ鐵は、2023年11月に集中開催する人気企画「線路跡を歩こう」への参加を呼び掛けました。
3社以外では、JR東日本高崎支社と、県境を越えて埼玉県の秩父鉄道が友情出展して、それぞれの沿線や車両を情報発信しました。
ステージイベントでは、ご当地アイドルの「あかぎ団」がミニライブ。メンバーで県南・佐波郡出身の天田真未さんは大間々駅の1日駅長を務め、「これからの紅葉シーズン、わ鐵の沿線にお出かけください」とPRしました。
記事:上里夏生
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