東海道新幹線の新座席「S WorkPシート」

JR東海は2023年10月20日(金)から、新幹線「のぞみ」7号車に設定されている「S Work車両」を「ひかり」「こだま」にも拡充。移動中にも仕事をしやすい環境を提供します。

これにあわせて導入されるのが新座席「S WorkPシート」です。7号車の3人掛けの中央B席にパーティションを設置し、両隣のA・C席のみ発売することで広々とした快適な仕事環境を提供します。

背面テーブルもノートPCでの作業がしやすい新型に更新されており、普段よりさらにゆったりと仕事ができるようになります。予約は明日10月18日から開始ということで、座席の仕様や乗り方などをまとめてみました。

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※当記事の内容は2023年10月6日の報道公開取材を元にしたものです。今後、座席の仕様や座席数、金額などが変更となる場合があります。

「S WorkPシート」座席仕様

「S WorkPシート」は東海道新幹線(16両編成)「のぞみ」「ひかり」「こだま」の7号車「S Work車両」に設定されます。3人掛け席の6~10番A・C席、計10席が対象です。

7号車の座席配置。図の黄色い座席が「S WorkPシート」です。「T」は新型の背面テーブルで、進行方向がどちらでも使用できるよう、5番・11番の座席にも備わっています(画像:JR東海)

中央のB席には、普通列車の裾仕切のような形状のパーティションを設置。ドリンクホルダーはパーティションの隣に移動し、背面テーブルを広々と使えるようになりました。

B席に半透明のパーティションを設置
ドリンクホルダーはパーティションの土台に。仕事の資料やスマートフォンなどを置いておくスペースとしても使えます

背面テーブルは手元にスライドさせるとやや傾くよう改修されており、角度が付くことでノートPCのキーボード入力等がやりやすくなっています。

新型の背面テーブル。手前にスライドさせると傾きます

その他にも、(厳密には「S WorkPシート」の仕様ではありませんが)以前は前の座席の乗客がリクライニングを深く倒すと広げたノートPCと座席の背面が接触してしまう問題がありましたが、「S Work車両」では座席のリクライニング可動域を調整することでぶつかりにくくなっています。

「S WorkPシート」での作業イメージ。ノートPCと座席の背面がぶつかることはなさそうです

「S WorkPシート」に乗るには

新座席「S WorkPシート」は「S Work車両」(7号車)の他の座席と同様、JR東海のインターネット予約サービス「EXサービス」で購入できます(※2023年10月18日予約開始)。「S Work車両」の座席は普通車指定席と同額ですが、「S WorkPシート」は1,200円の追加料金が必要となります。

EXサービス予約画面(画像は2023年10月16日時点のもので、まだ「S WorkPシート」の設定はありません)。画像からもわかるように「S Work車両」は普通車指定席と同額で、「S WorkPシート」ではさらに1200円必要となります
EXサービス予約画面(画像は2023年10月16日時点のもので、まだ「S WorkPシート」の設定はありませんが、パーティションの設置されたB席が販売されていないことが分かります)

なお、「S WorkPシート」の座席数や料金は当面の設定ということで、今後は変わっていく可能性もあります。3人掛けを1座席減らして両隣の席を1,200円高く設定するとなると、日中はともかくほぼ座席の埋まるラッシュ時などは減収につながります。JR東海の配布資料にも「新しいサービスをお試しいただきやすいよう、当面の間は、この追加額で発売します」とあり、試験的な意味合いが強いサービスと言えるでしょう。

余談ですが、現在「S Work車両」はEXサービス専用商品として発売されており、駅の窓口や券売機で買うことはできません。そのため朝のラッシュ時でも「7号車だけ満席ではない」という状況が稀ではなく、ある意味では「EXサービス」を利用するビジネスパーソンの駆け込み寺のような存在でした。

JR東海によりますと、2024年春頃から「S Work車両」を駅の窓口や券売機でも販売する予定とのことです。コロナの5類移行で乗車率が戻ってきており、「EXサービス」では1年前から予約が可能になりました。今後は前以上に早めの座席確保が求められるようになりそうですね。

記事:一橋正浩

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