京急電鉄から、2024年度の鉄道事業設備投資計画が発表されましたので、報道資料を見ていきましょう。

さらなる安全対策の強化 1.連続立体交差事業の推進(品川駅付近・大師線)

まずは、さらなる安全対策の強化として、約167億円を予定しています。

品川駅付近(泉岳寺~新馬場駅間)連続立体交差事業
泉岳寺~新馬場駅間は、品川第1踏切道(八ツ山通り)をはじめとする計3か所の踏切道が存在し交通渋滞の要因となっています。そのため、東京都の都市計画事業として同区間を高架化し、3か所の踏切道を除却するというものです。

品川駅付近(泉岳寺~新馬場駅間)連続立体交差事業 (図:京急電鉄)

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また品川駅の地平化および2面4線化を図り、利便性および安全性の高い駅へと再編いたします。2024年度は、品川駅付近の仮設化工事および八ツ山跨線々路橋の架設準備を含め、事業区間全域で工事を推進し早期事業完了を目指してまいります。

大師線連続立体交差事業
川崎市の都市計画事業である大師線連続立体交差事業のうち、段階的整備区間として、東門前駅付近~小島新田駅付近の約980mの区間で工事を進めており、2023年12月に大師橋駅の新駅舎を使用開始いたしました。2024年度は、引き続き地上部整備工事や、小島新田駅の旅客用トイレ新設工事などを施工してまいります。

さらなる安全対策の強化としてはその他に、
2.車内防犯カメラ設置 2026年度末までの全車両に導入をめざして実施、
3.踏切安全対策の強化 自動車の立ち往生を自動的に検知する踏切障害物検知装置の設置等、
3.自然災害への対策 弘明寺~上大岡駅間の耐震補強工事や浦賀駅構内での法面防護工事等、
を実施するとしています。

ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供

次に、ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供のためには、約87億円を予定しています。
1.ホームドア設置工事の推進
ホームからのお客さまの転落や列車との接触を防止するため、ホームドア設置工事を進めており、昨年度までに14駅にホームドアを設置、2024~2026年度は計24駅について設置工事を進めてまいります。

設置完了済駅(2023年度末)14駅 : 平和島駅、梅屋敷駅、京急蒲田駅、京急川崎駅、京急鶴見駅、京急東神奈川駅、横浜駅、日ノ出町駅、上大岡駅、金沢文庫駅、追浜駅、汐入駅、羽田空港第3ターミナル駅、羽田空港第1・第2ターミナル駅

2024~2026年度設置予定駅、24駅 : 青物横丁駅、大森海岸駅、大森町駅、雑色駅、六郷土手駅、八丁畷駅、生麦駅、弘明寺駅、屏風浦駅、杉田駅、金沢八景駅、横須賀中央駅、県立大学駅、糀谷駅、大鳥居駅、穴守稲荷駅、天空橋駅、京急川崎駅(3番線)※1、港町駅、鈴木町駅、川崎大師駅、東門前駅、大師橋駅、小島新田駅、京急久里浜駅

2.駅改良工事(大規模改修、耐震補強等)
「神奈川新町駅」の大規模改良工事に着手し、エレベーターやエスカレーターの新設と併せて道路との接続歩道橋なども整備し、駅周辺と一体的な移動円滑化を図ってまいります。
「花月総持寺駅」は、橋上駅舎の耐震補強工事と併せて、駅舎のリニューアル、旅客用トイレの新設などを進めてまいります。

3.車両更新工事(フリースペースの設置・窓の開閉化等)
車体の更新は、1000形:16両(8両×1編成、4両×2編成)を行う予定です。
車体更新に併せ、ベビーカーのご利用や大きなトランクをお持ちのお客さまが快適にご乗車いただけるようフリースペースを設置するほか、非常通話装置の増設、固定窓の一部開閉化などを行います。

環境負荷低減に向けた取り組み

環境負荷低減に向けた取り組みとして、約6億円を予定しています。
1.駅および車両照明設備のLED化
温室効果ガス排出量削減のため、全駅および全車両で照明設備のLED化を推進いたします。2024年度は横須賀中央駅など10駅のホームまたはコンコースの照明設備、16両の車両照明設備LED化工事を実施いたします。

2.省エネルギー設備への更新、回生電力貯蔵装置の更新
駅のエレベーターやエスカレーターを更新するほか、電車がブレーキをかけた時に発生する電力(回生電力)を、電車線から蓄電池へ充電し、加速時に電車線に放電することで有効に利用できる「回生電力貯蔵装置」をフライホイールから、より省エネ・CO2排出量の削減効果が期待できる蓄電池設備への更新に着手するなど、低炭素社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

将来の成長に向けた投資(約64億円)

将来の成長に向けた投資としては、約64億円を計上しています。
1.羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線新設工事
将来の航空旅客の増加を見据え、羽田空港アクセスのさらなる輸送力増強、利便性向上を図るため、国土交通省と当社で相互に協力して羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の新設および駅改良工事を進めてまいります。(※引上線は列車の入換え等を行う専用線です。)

引上線のイメージ図

2.泉岳寺駅改良工事

泉岳寺駅および品川駅北周辺地区は将来の駅周辺地域の開発による交流人口の飛躍的な増加が見込まれております。これに伴い、泉岳寺駅のホームの拡幅およびコンコースの拡張や昇降施設、出入口などの機能強化を行い、駅の利便性、安全性の向上やバリアフリー化を図ります。また、この改良工事は駅隣接街区にて東京都が施行する市街地再開発事業と連携して進めてまいります。

泉岳寺駅改良工事のイメージ図

3.鉄道オペレーション変革に向けた取り組み(駅業務高度化など
駅務機器の遠隔操作とカメラ付き通話対応が可能なスマートサポートシステムを順次導入し、遠隔・非対面による新しい駅営業様式を拡大します。(現在24駅導入、2024年度は15駅に導入予定)
さらに2024年度から自動改札機等の駅務機器を更新し、クレジットタッチ決済を本年度一部の駅に導入するほか、次世代媒体によるシステムを今後段階的に導入してまいります。

また、駅の信号取り扱い業務の自動化を拡大し、さらなる保安度の向上と業務効率化を進め、その他、車両や施設の保守部門においても業務の高度化を図るため、ICT技術を活用したシステムの導入等を進めてまいります。

写真・図:京急電鉄の資料より

以上、京急電鉄の2024年度の設備投資計画です。この4分野の総額で324億円の設備投資を実施するとしています。

ホームドア設置や全車両への防犯カメラ設置などは、安全面にすぐに直結しそうなので、早めに整備されるとありがたいですね。
また、照明設備のLED化といった環境負荷低減に向けた取り組みや、駅業務高度化など、新しいものへの投資も増えているようです。
品川駅付近の地平化(駅の地平化は2027年度、全体は29年度の完成見込み)、羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線新設工事(完成時期は未定)などは、羽田空港へのアクセス増強のためには重要な投資となりそうですが、もう少し時間を要するものになります。

(鉄道チャンネル)

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