※2009年8月撮影

トップ画像は、大糸線南小谷駅。この駅はJR東日本とJR西日本の境界となる駅です。当時国内で唯一運行されていたキハ52に乗りたくてやってきました。

しかし乗り継ぎ待ち時間が1時間24分もあって、流石にヒマを持て余しました。

初めての青春18きっぷの鉄道旅にして、各駅停車乗り継ぎ旅程の組み方がキモであることを実地で学んだのです。

駅舎は、翌2010年に改造されて外観が変わります。それ以前の懐かしい姿。

※2009年8月撮影

2014年(平成26年)にも南小谷駅に行きました。駅舎はこの様になっていました。元の駅舎本屋の前に新たな部分が付け足されて待合室が広くなりました。駅はJR東日本の管轄。

※2014年9月撮影

糸魚川駅から北陸本線で富山方面に向かいました。

筆者は、鉄道車両全般について全く詳しくないのですが、この前照灯が大きい電車は、交直両用の457系電車でしょうか。間違っていたらすみません。

これ以降15年間で、約70回、10万kmの鉄道旅(日本国内)をしましたが、この「目玉の大きい電車」は、この時しか乗っていません。

※2009年8月撮影

こちらは、2014年です。同じく糸魚川駅から西に向かう北陸本線413系電車。まだ北陸新幹線は開通していません。

※2014年9月撮影

初めての青春18きっぷ鉄道旅、最初の宿泊は、滑川駅前のビジネスホテルでした。

それまで一人旅はほとんどしていません。学生時代は友人と一緒でした。社会人になってからは業務出張がメインですが、これも同僚が一緒。一人旅というのはなかったのです。

しかし、一人でノンビリ風呂に入って、自分のペースで居酒屋を探して、独酌というのがとても楽しい事を知りました。勘で入った地元居酒屋の「当たりハズレ」も、ソレを繰り返すウチに「当たる」確率が多くなってゆきました。筆者は、昼酒がダメなので、その日の予定をクリアして、翌日の予定を眺めながら一人で呑むのが鉄道旅の楽しみになりました。

翌日は、北陸本線で敦賀に向かいました。

芦原温泉駅で乗り継いだ旧国鉄419系「食パン電車」。

※2009年8月撮影

「食パン電車」は、2005年(平成17年)北陸出張で当時の同僚達と乗って以来です。写真の駅は、越中宮崎駅ですね。

※2005年10月撮影

2009年の鉄道旅は、敦賀駅から近江塩津駅、北陸本線を乗り継いで余呉駅に行って下車します。

余呉駅ホームから余呉湖が見えました。

※2009年8月撮影

なんで余呉湖に?

ただ筆者が好きな作家の吉田健一さんが余呉湖の鴨の事を書いていたことを思い出したからでした。

青春18きっぷの旅は、この後、鉄道に乗るだけの旅になってゆくのですが、この時は初回だったので、ふつ~に旅行気分。何となく思いついた場所に、行きました。

今、考えると数多い鉄道旅で、もう少し観光すれば良かったかもしれないと感じています。何しろ駅とその周辺しか知らないのです。でも、そうしなければ、15年間で10万キロも鉄道旅ができなかったでしょう。

駅でレンタル自転車を借りました。荷物も駅で預かってもらいました。

※2009年8月撮影

「北びわこ周遊観光フォーラム 余呉駅20号車」と書かれています。20台も自転車は無かったと思います。15年前ですが、レンタル料金500円は高くなかった。

自転車で余呉湖の周囲約7kmを一周。アップダウンが少ないので時間はかかりませんでした。

写真は、余呉湖西岸から北東を見ています。右手前側の山が賤ヶ岳古戦場のある大岩山。左奥に余呉駅があります。

※2009年8月撮影

さらに湖を半周、賤ヶ岳古戦場への遊歩道入口がありました。流石に自転車で登山はできません。豊臣秀吉が柴田勝家を破って織田信長の後継者になった戦場です。

※2009年8月撮影

余呉駅に戻り、自転車を返却。北陸本線新快速で米原駅経由播州赤穂行に乗車しました。

※2009年8月撮影

新大阪駅で下車。地下鉄御堂筋線に乗り換えて江坂の友人宅に宿泊。さて翌日は、仁徳天皇陵に行ってみようか、などと考えていました。

ところが、

2024年11月にJR各社は青春18きっぷの仕様変更を発表。何と指定した期日から連続した5日間(新たに3日版も登場しましたが)一人で使う事しかできなくなりました。

青春18きっぷの最大の魅力は「気ままに、思いついた旅を自由に実行できる」ことだったと思います。

筆者は、ほとんど一人で青春18きっぷで鉄道旅をしてきましたが、連日始発から終電まで各駅停車に揺られるのは、いくら何でも草臥れます。

しかし、これからは青春18きっぷの鉄道旅で「中休み」を入れるには「3日版」で前半を旅して、あらかじめ決めた期日から後半も鉄道に乗らなければならないのです。自由度も、気ままさも大幅に限定されます。

特に高齢者が、これまでの様にノンビリと安く鉄道で旅するのが難しくなった様に感じます。

世間でも、青春18きっぷの新しい仕様発表に対して賛否の反響があります。JR各社は、ユーザーの声に対してどうするのでしょうか・・・。今後の展開を見守りたいと思っています。

(文・写真) 住田至朗

※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。

※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)他を参照しています。

※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。