コラム【鉄の余談】58 北海道で撮影したキハ40 2016年9月 ②
※2016年9月撮影 現存しません
トップ画像は、JR北海道札沼線新十津川駅に到着するキハ40 402。
1980年(昭和55年)製造のキハ40 160が1992年(平成4年)ワンマン化改造されてキハ40 770になりました。1996年(平成8年)450PSの大出力ディーゼル・エンジンと、変速機も直結2段式に換装。また出力増大に伴い動力台車は2軸駆動に改造されています。乗降用扉がJR北海道のコーポレイトカラー(萌黄色)に塗られました。401、402は、札沼線非電化区間の廃止後定期運用がなくなり、2023年(令和5年)4月に廃車・解体されています。
この日の朝、筆者は、函館本線滝川駅からバスで新十津川に来ました。新十津川町役場前バス停。
※2016年9月撮影
9時28分に着く始発列車を待って、始発にして最終という9時40分発の石狩当別行に乗るためです。
※2016年9月撮影
新十津川駅に9時過ぎに来たので誰もいません。今は無くなってしまった駅横の「のびのびぼくじょう」でポニーたちが静かに水を飲んでいます。
※2016年9月撮影
新十津川駅には秋桜(コスモス)が咲き乱れていました。
※2016年9月撮影
到着したキハ40 402。満員の乗客がいったん全員降車。
※2016年9月撮影 現存しません
駅舎内に掲出されていた新十津川町のポスター。「かつて北に 延びていた鉄路は 歴史の中で消え去り・・・ かつて北の開墾にかけた決意は 終着の地で今も息づく。」
※2016年9月撮影
9時40分発石狩当別行で非電化区間最後の石狩金沢駅まで来ました。前面展望。北海道医療大学駅の手前で頭上に架線が現れます。
※2016年9月撮影
北海道医療大学駅から電車で札幌駅に移動。特急「サロベツ」で旭川に14:08着。
16:14発の臨時列車、上川行に乗りました。キハ40 1711です。ようやくキハ40が3両目。
※2016年9月撮影 現存しません
と言っても2両は、2014年7月、2015年3月に乗った車両なので、実質は1両です。
キハ40 1711は、1982年(昭和57年)製造のキハ40 242が、1991年(平成3年)ワンマン化されてキハ40 711に改番され、さらに2012年(平成24年)延命改造(機関・変速機の強化換装・他)を受けてキハ40 1711に改番された車両です。2022年(令和4年)5月に廃車されました。
17:51上川駅に到着。
石北本線は、2016年(平成28年)8月の台風9号の豪雨で被災、上川駅~遠軽駅間がバス代行輸送になっていました。上川駅前から17:55発の代行バスに乗りました。
※2016年9月撮影
代行バスは、遠軽駅に19時35分に到着。駅近くのビジネスホテルに投宿しました。
翌朝、ホテルの朝食、玉子かけご飯に喜んだのですが。一般的に醤油の入っている陶器製の醤油さしにソースが入っていました。
せめて「ソースと表示して欲しい」とクソ不味い朝飯を食べた後に、ホテルに文句を言いましたが、文字通り、後の祭。
おそらく、何人もの宿泊者が、ソース味の玉子かけご飯で泣くことになったでせう。ま、何があっても、このクソなビジネスホテルには二度と泊まりませんけど。
あえてホテルの名前は、書きません、と思っていたら、既に経営破綻していました。
遠軽、外は、雨が勢いよく降っています。ホテルは、全館禁煙。喫煙は、傘をさして「外」です。こりゃ、原稿書くのは辛い。
上川駅行の代替バスは13:30発なので、時間はたっぷりあります。喫煙可能な喫茶店を、無人の町、豪雨に傘をさして小一時間探して、どうにか発見。仕事をしました。
喫茶店でランチも食べて、遠軽駅に移動。雨は止みました。
※2016年9月撮影
駅員さんに北海道パスを表示して駅に入れていただきました。
※2016年9月撮影
網走行が入線していました。キハ40 1791。
※2016年9月撮影
ありゃ、この車両は、2014年3月に同じ遠軽駅で白滝行の行先表示を付けたのを撮影しています。
やれやれ。
もう1両、キハ40 721。これは、初めての車両。よかった~。
※2016年9月撮影 現存しません
この車両は、1982年(昭和57年)北海道に導入されたキハ40の最後の方、キハ40 245が、1991年(平成3年)ワンマン化されてキハ40 721に改番されたものです。2022年(令和4年)3月に廃車になっています。
遠軽駅は、現在は石北本線のえですが、元々は名寄本線との接続駅でした。1989年(平成元年)名寄本線が廃止されて石北本線がスイッチ・バックする駅になっています。
遠軽駅跨線橋から。
※2016年9月撮影
おそらく左の方に森の中に消えている線路が、かつて名寄本線で宗谷本線の名寄駅方面に向かっていたのではないでしょうか。
13:30の代行バスで上川駅に戻りました。15:58発の旭川行に乗ります。キハ40 708。
※2016年9月撮影 現存しません
何故か、手前側の前照灯から後の屋根が煤(黒煙の?)ではげしく汚れています。キハ40であまり眼にしたコトがありません。
※2016年9月撮影 現存しません
1979年(昭和54年)製造のキハ40 136が1990年(平成2年)ワンマン化されてキハ40 708に改番されています。2021年(令和3年)6月廃車になっています。
旭川に到着後「スーパーカムイ38号」で札幌。「スーパー北斗24号」に乗り継いで21:19東室蘭着。居酒屋「ふなや」でおじさん、おばさんに久闊を叙して、ビジネスホテル。
翌朝、東室蘭から「スーパー北斗2号」で新函館北斗駅に向かいました。
東室蘭駅でキハ40 1706。
※2016年9月撮影 「カムイサウルス(むかわ竜)復興トレイン」として稼働中
1980年(昭和55年)に製造されたキハ40 214が1991年(平成3年)ワンマン改造でキハ40 706に改番。さらに2004年(平成16年)延命改造(機関・変速機の強化換装・他)を受けてキハ40 1706に改番されています。2021年(令和3年)JR北海道の「カムイサウルス(むかわ竜)復興トレイン」にカラーリングされて日高本線で運行されています。
「スーパー北斗2号」の車窓。森駅でキハ40 1809「森-函館」普通列車を追い越しました。
※2016年9月撮影 「海の恵み」として稼働
※2016年9月撮影 「海の恵み」として稼働
この車両は、2014年3月同じ森駅で大沼-森」普通列車で見ました。現在はJR北海道「北海道の恵み4両」の1両「海の恵み」で稼働しています。
さて、2016年(平成28年)9月の北海道、キハ40の収穫は、わずか6両でした。うち2両が現役で稼働しています。
次回は、2017年(平成29年)1月の北海道です。
(文・写真) 住田至朗
※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。
※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)『北海道 駅名の起源』(日本国有鉄道北海道総局/1973年)他を参照しています。
※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。