関東からも関西・名古屋からも特急「あずさ」「しなの」利用で気軽にアクセスできる、長野県の松本エリア。松本出身で世界的に活躍中の草間彌生作品の展示で知られる「松本市美術館」やレトロな「なわて通り商店街」、その傍らの「四柱神社」など、徒歩圏内だけでも見どころが多いエリアです。そこから少し足を伸ばせば、スキーリゾートとして有名な「白馬」や北アルプスがそびえる山岳都市「大町」、のどかな田園地帯が広がる「安曇野」など魅力ある観光地をはしごできます。
2025年冬の松本観光行くならどこへ寄るべき? この記事では、今の季節におすすめしたい松本城のプロジェクションマッピングと、安曇野で開催中のイルミネーション・花火情報やアクセスを紹介します。

【松本編】特急「あずさ」や「しなの」で松本駅へ

スーパーあずさ(画像:Pixta)

長野県の中央に位置するのが松本です。首都圏から松本駅に向かうには、JR新宿駅から中央本線・特急「あずさ」を利用しましょう。約2時間30分で松本駅に到着します。
関西圏や名古屋周辺からの場合には、一旦、新幹線などを利用して名古屋駅に向かい、名古屋から松本までは特急「しなの」を利用して約2時間です。

長野県の真ん中にある松本市は、東京からも名古屋からも、アクセスしやすい(画像:松本市)

松本駅の周辺にもたくさんの観光スポット

松本駅に到着したら「お城口」に出ましょう。徒歩圏内で巡れるスポットもたくさんありますし、松本周遊バス「タウンスニーカー」を利用すれば「旧開智学校」(北コース)や「あがたの森公園」「松本市美術館」「市民芸術館」(東コース)などに行くことができます。「日本浮世絵博物館」「松本市歴史の里」などに行ける松本・島内線に乗車の場合は「アルプス口」からの乗車となります。

松本駅から徒歩約10分、松本城からは徒歩約5分の「なわて通り商店街」

松本駅から国宝の松本城までは、徒歩約15~20分。道中、女鳥羽川沿いに「なわて通り商店街」があり、食べ歩きやウィンドウショッピングを楽しめます。

パワースポットとして知られる「四柱神社」

「なわて通り商店街」に隣接する「四柱(よはしら)神社」も見どころ。その名の通り、天之御中主神(あまのみなかぬしのかみ)、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、神皇産霊神(かみむすびのかみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)の4柱を祀っている神社で、すべての願いがかなう「願いごとむすびの神」として知られています。

松本城天守へのプロジェクションマッピング

国宝 松本城天守 プロジェクションマッピング 2025-2026(画像:一旗)

松本城公園では、現存国宝5天守の一つである松本城の天守や石垣に映像を投影する「国宝 松本城天守 プロジェクションマッピング 2025-2026」を、2025年12月13日(土)~2026年2月15日(日)まで開催します。2024年度は17万人以上が来場した松本の冬の風物詩で、松本が描かれた錦絵や伝統工芸のモチーフなどを取り入れた、ダイナミックで幻想的な映像を投影します。

3つの期間で異なるテーマの光の物語を展開

昨年のプロジェクションマッピング(画像:一旗)

このプロジェクションマッピングでは、現存国宝5天守の中で最古の五重六階の天守を持つ松本城の天守や石垣に映像が投影されます。映像には、松本市立博物館所蔵の商都松本が描かれた錦絵、絢爛豪華な屏風絵、松本てまりや提灯などの松本市ならではの伝統工芸のモチーフ、そして春の桜や北アルプスの花々などが使用されます。

会期中は約9分間のコンテンツを、約3分間のインターミッションをはさんで連続投影。期間を3期に分け、テーマの異なるプロジェクションマッピング演出が展開されます。

第一期・時を超える城 ~光の物語~:2025年12月13日(土)~2026年1月7日(水)
第二期・光の記憶 ~名場面ダイジェスト~:2026年1月8日(木)~1月28日(水)
第三期・光咲く天守 ~春の幕開け~:2026年1月29日(木)~2月15日(日)

昨年のプロジェクションマッピング(画像:一旗)

天守へのプロジェクションマッピングに加え、園路でのインタラクティブコンテンツや、城門でのプロジェクションマッピング、松本城公園のライトアップなど、松本城周辺全体が光のアートで彩られます。

「国宝 松本城天守 プロジェクションマッピング 2025-2026」概要
場所:松本城公園(長野県松本市丸の内4-1)
開催期間:2025年12月13日(土)~2026年2月15日(日)
点灯時間:18:00~22:00
料金:観覧無料・事前申込不要

松本城公園アクセス
電車:JR「松本駅」より徒歩約20分
バス:JR「松本駅」より美ヶ原温泉線・浅間線・岡田線・アルプス公園線、もしくは松本周遊バス「タウンスニーカー」北コースで約10分
車:長野自動車道「松本IC」より車で約20分

市街地イルミネーションも同時開催

同期間の17:00~22:00まで、大名町通りから千歳橋にかけてのエリアで市街地イルミネーションを開催します。大名町通りは華やかな木の電飾が、千歳橋はガス灯と調和するイルミネーションが、道行く人々の目を楽しませてくれます。

1月23・24・25日は「国宝松本城氷彫フェスティバル2026」も開催

北アルプスのモルゲンロートと氷像(写真左)/夜通しの作業で完成する氷像彫刻(画像:松本市)

2026年1月23日(金)・24日(土)・25日(日)の3日間は、松本城公園をはじめとする各所で「国宝松本城氷彫フェスティバル2026」を開催。全国から集まった氷彫師が手がけた氷の彫刻が、冠雪の北アルプスと松本城を背景に立ち並ぶ「氷の祭典」です。

例年子どもに人気がある「氷のジャンボ滑り台」(画像:松本市)

メインイベント「全国氷彫コンクール チャンピオンシップ」をはじめ、氷のジャンボ滑り台や、 ステージイベントも開催。子どもも大人も楽しめます!

【安曇野編】特急・新幹線・バスから選べるアクセス

関東方面からは、以下のようなアクセス手段があります。

画像:安曇野市観光協会(公式サイトより)

時間優先なら新幹線「あさま」

東京方面から安曇野へ向かう場合、短時間で現地に行きたい場合は、東京駅から新幹線「あさま」に乗車して長野駅へ。JR篠ノ井線に乗り換えて明科駅へ向かうルートがあります。

穂高観光をするなら特急「あずさ」

JR穂高駅から徒歩約3分の「穂高神社」

個人的におすすめしたいのは新宿駅から特急「あずさ」で松本駅に行き、JR大糸線で穂高駅に向かうルートです。穂高駅から徒歩圏内に「穂高神社」や「碌山美術館」があって歩いて観光を楽しめますし、飲食店も多く、安曇野の名水と信州県産のそば粉を使ったそばは特に人気があります。

安さならやっぱり高速バス!

お菓子などの信州土産を安く買える「安曇野スイス村」。ワイナリーも併設しています

乗り換えなし、かつリーズナブルに移動するなら高速バスを利用しましょう。バスタ新宿から約3時間35分で「安曇野スイス村」や穂高駅前に出ることができます。

関西や名古屋からも、バスか特急利用を選べます

短時間で付くのはやはり電車でのアクセスです。関西などからは新幹線などで一旦、名古屋駅に向かい、名古屋からは特急「しなの」で松本駅まで約2時間。そこからJR大糸線に乗り換えて穂高まで25分です。
関西・名古屋からのバス利用の場合、「大阪・梅田駅」から「松本バスターミナル」までバスで約5時間50分。名古屋からは「名鉄バスターミナル」から約3時間30分で「松本バスターミナル」までのバスに乗車します。松本からは、JR大糸線に乗りかえて、約25分ほどで到着します。

冬に安曇野へ行くなら白鳥の飛来を観よう!

長野自動車道安曇野インターチェンジ交差点の白鳥モニュメント

安曇野は白鳥の飛来地として知られており、毎年たくさんの白鳥が安曇野で冬を過ごします。観賞できるのはJR篠ノ井線明科駅から徒歩約20分少々の「御宝田遊水池」と、JR篠ノ井線田沢駅から徒歩約30分の「犀川白鳥湖」。白鳥の飛来を観るなら、新幹線ルートがスムーズです。

「犀川白鳥湖」の白鳥。11月上旬時点では30羽程度飛来していました。出かける前に、安曇野市がホームページで公表する飛来数を確認しておきましょう

国営アルプスあづみの公園「Winter Illumination 2025」

「Winter Illumination 2025」

国営アルプスあづみの公園(堀金・穂高地区)では、長野県下最大級となるウインターイルミネーション「Winter Illumination 2025」を開催中です。今年のテーマは「星のすべて~All of the Stars~」。光で彩られた宇宙船や星々をイルミネーションで表現し、音楽と光が連動する幻想的な演出が楽しめます。イルミネーション期間中の週末には、打ち上げ花火やコンサートなど、さまざまなイベントも開催します。

宇宙と星をテーマにした幻想的な光の演出

点灯直後の様子。暗くなってからの方がライトアップはきれいですが、山々の稜線がくっきりと見える日没前の景色も一見の価値ありです

公園内の自然とともに、宇宙船や星々を表現したキラキラとしたイルミネーションが展開されます。特に注目は、音楽と光が連動して動くイルミネーションなど、さまざまな仕掛けを用いた演出。信州の冬の澄んだ空気の中で、光の演出が自然と一体となり、幻想的な世界観を作り出します。

週末には花火や各種イベントが盛りだくさん

昨年度のイルミネーションと打ち上げ花火(画像:公園財団)

イルミネーション期間中の週末を中心として、公園内では各種イベントが開催されます。夜空を背景にイルミネーションをさらに賑やかに演出する打ち上げ花火は、期間中の第2、第4土曜日に実施。
12月・1月は、2025年12月13日(土)、27日(土)、2026年1月10日(土)、24日(土)、観覧場所は段々原っぱで18:30~5分程度の開催となります。(打ち上げ20分前に立ち入り禁止エリアが開場します)。

「Winter Illumination 2025」概要
場所:国営アルプスあづみの公園 堀金・穂高地区(長野県安曇野市堀金烏川33-4)
開催期間:2025年11月1日(土)~2026年1月31日(土)
点灯時間:16:30~21:00
開園時間:平日:14:30~21:00、土日祝:9:30~21:00
休園日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、12/31(水)、1/1(木・祝)
入園料:大人(15歳以上)450円、シルバー(65歳以上)210円、小人(小中学生)以下無料

国営アルプスあづみの公園アクセス

画像:国営アルプスあづみの公園(公式サイトより)

電車: JR豊科駅または穂高駅からタクシーで約15分
クリスマスの12/24(水)、25(木)のみ、JR豊科駅から公園中央口まで無料シャトルバスを運行(始発16:00~公園発21:15まで随時運行)
車:長野自動車道「豊科IC」より車で約20分

「Winter Illumination 2025」イベント情報

なお、宿泊施設や「田淵行男記念館」「あづみ野ガラス工房」などが集まる複合施設「安曇野の里」では2025年12月6日(土)~2026年2月1日(日)まで「20th Azumino.光のページェント」を開催。点灯時間は17:00〜22:30で入場料は無料。地元有志のボランティアで、てづくりのイルミネーションを観賞できます。車で移動の場合は「国営アルプスあづみの公園」から約15分でアクセスでき、公共交通機関を利用する場合はJR大糸線「柏矢町駅」から徒歩約20分です。日程が合う人は、イルミネーションのはしごをしてみてはいかがでしょうか?

文・注釈のない写真:斎藤若菜
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

【関連リンク】