2025年8月15日(金)に、長野県諏訪市で「第77回諏訪湖祭湖上花火大会」が開催されます。四方を山に囲まれた諏訪湖から打ち上がる花火は、音の反響を体で感じられるほどの大迫力です。特に湖上から打ち上げられる「水上大スターマイン」は必見です。大混雑が予想されるこの花火大会を最大限に楽しむための、アクセス方法、交通規制、そして混雑を避けて花火を満喫できる穴場スポットまで、知りたい情報を徹底解説します。
また、8/15以外にも諏訪湖で行われる「諏訪湖サマーナイト花火」(7/25から8//24まで毎日開催)や「全国新作花火チャレンジカップ2025」(9/6,13,20,27、10/26)などの情報も合わせてお伝えしていきます。

「諏訪湖祭湖上花火大会」とは?


「諏訪湖祭湖上花火大会」は戦後間もない昭和24年(1949年)、戦没者の追悼と復興を願いスタートしました。今年で77回目を迎える、歴史ある花火大会です。

諏訪湖祭湖上花火大会で打ち上げる最大の花火は10号玉(尺玉)で、開く前の玉の大きさは直径30センチ程度ですが、上空で花火が開くと直径約280メートルもの大きさになります。10号玉は、湖上の打ち上げ施設のほぼ中心に設けられた人工島「はつしま」をメインの打ち上げ場所としており、大迫力の花火を間近で観賞することができます。

諏訪湖は諏訪盆地内に広がる湖で、四方を山に囲まれている環境も特長のひとつです。湖上から打ち上がり、夜空いっぱいに広がる花火の美しさとともに、響き渡る轟音も楽しめます。

2025年のプログラムは?


第1部は、オープニングの大スターマインから始まり、上空で直径280メートルもの大きさになる10号玉(尺玉)を5発打ち上げる「レクチャー花火」、煙火店9社が参加する「競技花火(スターマイン競技)」を開催。優勝を目指して各店の煙火師が巧の技と演出でしのぎを削ります。

第2部は、水上スターマインを柱とした「ミュージックスターマイン」など、独自の迫力ある湖上花火を堪能できます。なお、第75回大会以降は打上発数の公表が行われていませんが、コロナ前までの大会では概ね4万発前後の花火が打ち上げられており、今年も相当数の花火が打ち上げられると予想されます。

会場へのアクセスと最寄り駅


「諏訪湖祭湖上花火大会」で花火が打ち上げられるのは、諏訪市湖畔公園前の諏訪湖上。沖合250メートルほどの場所に設けられた人工島「初島」などで打ち上げが行われます。最寄り駅は「上諏訪駅」。JR中央本線特急に乗れば新宿駅から約2時間でアクセスが可能で、上諏訪駅からは徒歩約10分でアクセスできます。当日は19時からスタートしますが、11時に開門。Cゲートは15時に開場となります。

当日は中央本線で臨時列車を運行


花火大会の開催に合わせて、当日は中央本線で臨時列車を運行します。行きの列車は、13時~18時台に上下計15本を運行します。

帰りの中央本線臨時列車は、20時~25時台に上下計29本を運行。さらに、飯田線岡谷~駒ヶ根間と、大糸線松本~信濃大町間でも臨時列車を運行します。なお、大会終了後の深夜に上諏訪駅を出発し、翌朝新宿駅に到着する特急「諏訪湖花火大会号」は記事執筆時点で満席となっています。

歩行者天国等の交通規制を実施


会場は中央自動車道諏訪ICから通常時で約15分の場所にありますが、当日は道路が大変混み合うことが予想されます。また、広範囲にわたり、車両通行禁止エリアや歩行者天国エリアが設けられます。なお、諏訪湖サービスエリアからの花火観覧は禁止されており、2025年は大会当日の15時から花火大会終了まで、諏訪湖サービスエリア上下線と諏訪湖スマートインターチェンジ上下線の出口封鎖が実施されます。

また、会場周辺には3,000台分の臨時駐車場が設置されますが、すべて事前予約システムを活用した有料駐車場となります。最寄りのJR上諏訪駅からは徒歩約10分でアクセスできますから、できる限り公共交通機関での来場を心がけましょう。

おすすめ観賞スポット

「諏訪湖祭湖上花火大会」では花火を間近に観賞できる有料席を設定していますが、記事公開時点で全座席の受付が終了しています。今から花火を観賞する方法はあるのでしょうか?

例えば「立石公園」は、夜景と花火を一度に楽しむことができる人気スポットです。ただし、公園付近は交通規制が行われ、車両は通行できません。JR上諏訪駅から徒歩約30~40分でアクセスできますので、早めに公園へ向かいましょう(立石公園内で場所取りが可能となるのは8月14日(木)12時以後、同日16時に駐車場を閉鎖します)。

落ち着いて花火を観賞したければ、会場の対岸に位置する「みずべ公園」「赤砂崎公園」「岡谷湖畔公園」がおすすめ。少し距離がありますが、湖畔に近いため、水面に映る花火を楽しめます。

8/15以外にも諏訪湖では花火を打ち上げ!


諏訪湖では、8月15日以外にも毎日のように花火の打ち上げが行われています。「全国新作花火チャレンジカップ2025」は、9月6日・13日・20日・27日の毎週土曜日に予選を、10月26日の日曜日には優勝決定戦を開催。2019年の「全国新作花火競技大会」以来6年ぶりで、大会名が変わり、今年は分散型で開催されます。

「諏訪湖サマーナイト花火2025」は毎日開催!


毎年8月15日の「諏訪湖祭湖上花火大会」開催日を除き、7月25日から8月24日までの毎日「諏訪湖サマーナイト花火」が開催され、20時30分から約10分間花火を観賞できます。毎日開催されているため混雑することなく、湖畔の芝生で夜風を感じながら、花火をじっくりと楽しめます。サマーナイト花火クルージング(花火納涼船)に参加すれば、湖上から花火を観賞することも可能。「諏訪湖祭湖上花火大会」当日に足を運べない人や、混雑を避けて浴衣で花火を楽しみたい人などはこちらがおすすめです。

【参考】諏訪湖の夜空を彩る花火大会は8/15だけじゃない!夏から秋までの3つの花火イベントを部屋・露天風呂・湖畔などから鑑賞できる宿を紹介 https://tetsudo-ch.com/13007173.html

全国25,000社の諏訪神社の総本社や「霧ケ峰高原」も

「諏訪湖祭湖上花火大会」の会場周辺には、「諏訪大社の総本社」もあります。長野県諏訪湖周辺に四社に分かれて鎮座する「諏訪大社」は、全国に約25,000社ある諏訪神社の総本社です。上社本宮、上社前宮、下社秋宮、下社春宮の四社で構成され、それぞれに御祭神が祀られています。国内でも最も古い神社のひとつとされています。
諏訪市には、映画「テルマエ・ロマエⅡ」に登場したことで知られる昭和初期の大衆浴場「片倉館」があります。昭和の初期に建設された大衆浴場で、国の重要文化財にも指定されており、他にはない昭和を思わせる風情ある天然温泉です。
上諏訪駅からバスに乗れば、高山植物の宝庫「霧ケ峰高原」にも足を運ぶことができます。ゆるやかな起伏が続く霧ヶ峰高原には、レンゲツツジやニッコウキスゲ、マツムシソウなど、季節の高山植物が生い茂り、本州で最大規模の半自然草原の他にも、国の天然記念物となっている3つの湿原もあります。

霧ヶ峰高原(長野県) PIXTA

このような周辺の観光とともに、ぜひ花火を楽しみましょう。
また、花火大会当日は雨天決行ですが、桟敷席では傘の使用が禁止となっています。レインコートなどを持参しましょう。湖上の夜は風が吹くと夏でも肌寒く感じることがあります。体温調節ができるよう、長袖の上着も忘れずに。

(写真:PIXTA、諏訪湖の花火、時刻表:JR東日本)
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