宮城県と言えば「少し遠そう‥」「仙台以外はよく分からない」というイメージの人も、近隣地域以外にお住まいの方には多いのかもしれません。実は、東京駅から仙台駅までは、東北新幹線で1時間半程度。東海道新幹線で東京駅から名古屋駅へ行くのと同じくらいの時間で、気軽にアクセスできる、想像以外に近い「旅先」なんです。仙台駅から少し足を伸ばすだけで、日本三景・松島、名湯・秋保温泉、そして冬には圧巻の自然芸術「蔵王の樹氷」の絶景などが待っています。
この記事では、2024年にオープンした新国宝「多賀城碑」 や「ラプラス公園」といった注目の新名所から、冬の定番イルミネーション、王道の観光スポットまで、この冬行きたい宮城県の魅力を徹底的にご紹介します。

意外と近い! 宮城県

東北新幹線 E5系( 画像:Pixta )

東京から仙台まで新幹線で約1.5時間!
宮城県の中心地、仙台駅は、東京駅から東北新幹線に乗れば、最短約1時間30分でアクセスが可能。「はやぶさ」「こまち」なら約1時間30分、「やまびこ」なら2時間程度です。所要時間の短さもさることながら運行本数も多いため、気軽に足を運ぶことができます。

在来線や高速バスの利用で節約する方法も
ちなみに「お金はないけど時間はたっぷりある」という人は「青春18きっぷ」でリーズナブルに行く方法もあります。余談ですが筆者は以前、東京駅から宇都宮駅に出て餃子を食べた後、JR宇都宮線で黒磯駅に出て、JR東北本線で黒磯・新白河・郡山・福島を経て仙台駅へ行き、牛たんを食べて福島駅に戻るというルートを実行したことがあります(翌日、福島で仕事があったのです)。翌日以降の宮城旅を列車で楽しむのであれば、青春18きっぷの利用を検討しても良いでしょう。
なお、在来線のみ使用で電車移動の場合7~8時間かかりますので、単純に節約がしたいのであれば、6時間前後でアクセスできる高速バスがおすすめです。

仙台駅から⾏ける冬のおすすめ観光スポット3選

宮城県には気仙沼や石巻、鳴子温泉など魅力あるスポットが点在しています。今回はそのなかでも仙台駅から比較的アクセスしやすい、冬のおすすめ観光スポットを紹介します。

【電車で約40分】松島(宮城郡松島町)

冬の松島

⾔わずと知れた⽇本三景のひとつ。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に三つ星の観光地として紹介され、世界から注目されている人気スポットです。遊覧船で島めぐりを楽しみながら、湾の景観を楽しめます。秋は260余りの島々が⾚や⻩に⾊づき、⻘い海とのコントラストを奏でる紅葉が有名ですが、冬の雪景色も見応えがあります。
松島海岸付近には、全長252メートルの「福浦橋」や国の重要文化財に指定されている「五大堂」など見どころがいっぱい。雪見灯籠の展示などが行われる「円通院」は松島海岸駅から徒歩約5分です。

福浦橋・五大堂・円通院アクセス:仙台駅からJR仙石線で約40分、松島海岸駅から徒歩圏内

【車で約30分】秋保温泉(仙台市太白区秋保町)

冬の「秋保⼤滝」(画像:Pixta)

⽇本三御湯・秋保温泉は、温泉と⾃然が融合した観光地。⽇本初進出のアメリカ発クラフトビール醸造所「グレートデーンブリューイング」のほか、地元⾷材とのマリアージュが⼈気の「秋保ワイナリー」、築160年の古⺠家を改修した和モダンなレストラン「アキウ舎」など新スポットが続々オープン。仙台から近い温泉地として注目のエリアです。国の名勝にも指定されている「秋保⼤滝」も⾒どころ。11月上旬までは紅葉が見事ですが、冬は雪の白と黒い岩肌のコントラストが目を引きます。無数の氷柱が下がる様子も必見です。

車アクセス:仙台南ICから車で約15分
バスアクセス:仙台駅から宮城交通快速秋保線で約30分(土日祝のみ)、宮城交通秋保線で約50分、タケヤ交通(秋保・川崎 仙台西部ライナー)約40分

【バスで2時間】みやぎ蔵王の樹氷めぐり(刈田郡蔵王町)

蔵王の樹氷

雄大な樹氷原で樹氷を鑑賞できるのが、マウンテンフィールド宮城蔵王すみかわスノーパークで12月下旬~3月中旬頃まで実施している、雪上車を利用した樹氷めぐり。雪上車から、⾃然の力が⽣み出す幻想的な造形美を堪能できます。雪と光が織りなす神秘的な景観に目を奪われること間違いなしです。

仙台駅からはやや距離がありますが、往復送迎バス(有料・事前予約制)ですみかわスノーパークへ行き、樹氷めぐりツアーに参加。遠刈田(とおがった)温泉街に立ち寄り散策を楽しんでから仙台駅に戻る日帰りツアーが設定されているため、雪道のドライブが不安な人でも訪れやすくなっています。

車アクセス:仙台方面から蔵王エコーライン入口まで一般道で約60分、仙台宮城ICから東北自動車道経由で約50分・白石ICから約30分
バスアクセス:仙台駅から事前予約制「樹氷号」送迎バスでマウンテンフィールド宮城蔵王すみかわまで2時間弱 ※遠刈田温泉からワンコインバスもあり

宮城県で今、注⽬のNEWスポット3選

宮城県で今、注目を集めている旬のスポットにも足を運んでおきたいところ。おすすめの3ヶ所を紹介します。

多賀城跡(多賀城市)

多賀城南門

2024年に創建1300年を迎えた日本最大史跡のひとつ。外郭南門が復元され、2024年8月には「多賀城碑」が国宝に指定されています。多賀城跡ガイダンス施設もオープンしており、繁栄当時の古代都市多賀城跡の再現映像や、多賀城南門復元記録の映像を視聴できます。

アクセス:JR国府多賀城駅より徒歩約15分

道の駅東松島(東松島市)

道の駅東松島

2024年11月にオープンした、宮城県で最も新しい道の駅です。東松島市内にブルーインパルスが所属する松島基地があることから、ブルーインパルスをモチーフにした建物が特徴。ブルーインパルスグッズの販売や、VRによるブルーインパルスの体験搭乗、さらに運が良ければ飛行訓練の見学もできるエンターテインメント性豊かなスポットです。

アクセス:JR仙石線矢本駅より車で約10分

「ラプラス公園in かせぬま」(宮城郡利府町)

「みやぎ応援ポケモン」のラプラスをモチーフにした公園遊具などが設置された「ラプラス公園in かせぬま」が10月31日、モリリン加瀬沼公園内にオープンし、早くも注目を集めています。「みやぎ応援ポケモン」に任命されたラプラスをモチーフにした高さ4メートルの大型遊具は圧巻です。

アクセス:JR東北本線陸前山王駅より徒歩24分・JR仙石線多賀城駅より車で約10分

イルミネーションならここ! 仙台の恒例イベント

最後に、冬に仙台へ行くなら是非立ち寄りたい、おすすめのイルミネーションスポットを紹介します

【仙台駅から2駅】SENDAI光のページェント

市民ボランティアによって始まった人気イベント「SENDAI光のページェント」(画像:Pixta)

12月5日(金)~12月28日(日)の24日間、仙台が光の都へと姿を変える、仙台の冬の風物詩と言えるイルミネーションイベントです。2025年は40回目の開催ということで「40th Anniversary:Re」をテーマとし、定禅寺通のケヤキ127本に、約48万球のLEDを灯します。街路に煌めく光はあたたかで幻想的。初日の点灯式には、カウントダウンの合図で一斉に点灯。また、すべての灯りが約1分間消灯し、一斉に再点灯する人気イベント「スターライト・ウインク」は大変人気があります。

募金をして「ひかリング」をもらおう!
期間中は「仙台クリスマスマーケット2025」の開催やフォトスポットの設置など、さまざまな催しを楽しめます。また、開催期間中に300円以上募金するともらえる返礼品「ひかリング」を身に着けることで、定禅寺通の緑道内に設置される展望デッキでのイルミネーション観賞や、勾当台公園内に登場するお城の大きなオブジェがあるエリア内に入場できます。

【2025 SENDAI光のページェント概要】
開催期間:12月5日(金)~12月28日(日)
点灯時間:月~木/19:00~22:00 金・土/18:00~22:00 日/18:00~21:00
※12月24日(水)、25日(木)/18:00~22:00
場所:定禅寺通(東側:仙台三越前~西側:定禅寺ガーデンヒルズ迎賓館前)
アクセス:地下鉄南北線「勾当台公園駅」より徒歩約1分

【点灯式】
開催日:12月5日(金)
点灯時間:17:40~18:00
場所:定禅寺通緑道(せんだいメディアテーク前)

【スターライト・ウインク】
開催日:開催期間中の金・土・日と12月24日(水)、25日(木)
点灯時間:1回目18:30・2回目19:00

東京から新幹線でわずか1時間半と、宮城県は私たちが思っている以上に「意外と近い」冬の旅先です。
宮城県には、寒い冬だからこそ楽しめるスポットがたくさんあります。今回紹介したおすすめスポットや旬のスポット以外にもたくさんの見どころがありますし、秋保温泉や遠刈田温泉をはじめとする歴史ある温泉が多いことも魅力です。この冬は宮城県にでかけてみてはいかがでしょうか。

文:斎藤若菜
注釈のない画像:宮城県
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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