E3系改造「荷物専用新幹線」走行イメージ。先頭車には代表的な輸送商材を、中間車にはエリア毎の主に輸送実績のある地域産品などをデザインしています

JR東日本は9日、2026年3月23日から「荷物専用新幹線」の運行を開始すると発表しました。同社はこれまでも旅客列車の一部スペースを使った荷物輸送「はこビュン」を展開してきましたが、今回は車両1編成をまるごと改造。座席をすべて撤去し、物流専用として生まれ変わったE3系新幹線が登場し、東日本エリアの産品を首都圏へ運びます。

【参考】
E3系新幹線を「荷物専用」に改造!? 年間100億円規模の収益獲得目指し、JR東日本が「はこビュン」サービス本格化!(※2025年3月掲載記事)
https://tetsudo-ch.com/12997709.html

E3系が「物流の救世主」に転身

荷物専用新幹線に生まれ変わるのは、かつて山形新幹線「つばさ」で活躍したE3系新幹線(1編成7両)です。JR東日本は、客室内の座席をすべて取り払い、床をフラットにして滑り止め加工を実施。カゴ台車のまま荷物を積み込める仕様に改造します。荷物専用新幹線の積載量は、最大約17.4トン(1,000箱程度)です。

車内の改造イメージ

荷物専用新幹線は平日に定期運行。盛岡新幹線車両センターを正午前に出発し、16時頃に東京新幹線車両センターに到着するダイヤを予定しているといいます。運転時はE5系「やまびこ」と連結し、1~10号車は旅客輸送、11~17号車が荷物輸送を担います。

車両センター内ではAGV(Automated Guided Vehicle、無人搬送車)を導入。重い荷物を自動で牽引搬送し、車両センター内のスロープや狭小ルートを含め自動搬送を実現し、省力化と作業効率の向上を図ります。

JALや日本郵便とも連携、海外へも輸出拡大

JR東日本は、輸送力を活かした他社との連携も強化します。

JALグループと連携し、新幹線と航空機でリレー輸送する新サービス「JAL de はこビュン」を展開。各地域からシンガポールや台湾など海外の目的地への迅速な輸送を実現します。輸送開始時期は2026年1月中旬頃となる見込みです。

このほか、日本郵便と協業し、郵便物などを在来線・新幹線で運ぶ構想も、2026年度の実施に向けて検討が進められています。

(画像:JR東日本)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)