東急・武蔵小山駅前〝タワーマンション計画〟商店街と連動する大型再開発

東急目黒線の急行停車駅として都心へのアクセスに優れ、武蔵小山商店街パルムの玄関口にもなっている武蔵小山駅周辺が、さらに大きく姿を変えようとしています。東京都は2025年11月27日、品川区小山三丁目で進められてきた小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業について、再開発組合の設立を認可しました。約1.4ヘクタールの街区に、地上39階・高さ約145メートルのタワーマンションや商業施設などを整備する計画で、総事業費は約963億円。2033年度の完成を目指す長期プロジェクトです。
39階145メートルタワー計画

武蔵小山駅は目黒線の急行停車駅で、目黒駅まで約3〜5分、渋谷方面へも乗り換えを含めて15分前後と、主要エリアへの所要時間が短い点が特徴です。さらに目黒線は東京メトロ南北線、都営三田線、埼玉高速鉄道と相互直通運転しており、溜池山王、大手町、浦和美園方面まで乗り換えなしで結ばれています。2023年には相鉄・東急新横浜線の開業により、日吉駅で同線に接続し、直通列車の運転も始まりました。これにより新横浜駅方面へのアクセスが向上し、新幹線利用の利便性も高まりました。
こうした利便性とにぎわいを背景に、武蔵小山駅周辺では高層住宅の整備が早くから進んできました。代表例がパークシティ武蔵小山ザ タワーで、地上41階の規模を持ち、駅から徒歩1分という立地が特徴です。隣接するパークシティ武蔵小山 ザ モールや、全長約800メートルの武蔵小山商店街パルム、さらに地域で親しまれる温浴施設・武蔵小山温泉 清水湯など、生活施設が集中した住環境が評価され、単身者から共働き世帯、シニア層まで幅広い層に人気があります。
今回の小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業は、駅南東側のパルム商店街入口周辺を対象としています。A-1街区には地上39階・地下2階、高さ約145メートルで約850戸を備える住宅棟を計画し、低層階には店舗や生活支援施設、駐車場を配置します。A-2街区には地上3階・地下2階の商業施設や駐車場を設け、駅前と商店街をつなぐ新たなにぎわい空間を形成します。

この再開発は、2011年の密集市街地整備協議会の発足を起点に、2012年の準備組合設立、2020年代前半の都市計画決定を経て事業化したものです。今後は権利変換計画の認可や既存建物の解体を進め、2029年度に本格着工、2033年度の完成を目指すとしています。

計画では単に高層住宅を建てるだけでなく、既存のパルム商店街の魅力をどう次世代へつなげるかが重視されています。住宅棟の低層部に商店街と連続する店舗を配置し、2階レベルにはデッキやギャラリーを設け、上下に広がる回遊空間を創出。広場やオープンスペースも整備し、休憩やイベントに利用できるたまり場を増やすことで、地域住民や来街者が自然と集まる環境づくりを進める方針です。
一方、木造住宅の密集や細い道路、老朽化した建物が点在するなど、防災面の課題が指摘されてきました。歩行者と車の動線が交錯しやすく、災害時の避難や消防活動に支障を来す懸念もありました。再開発ではこうした課題に対応するため、道路拡幅や歩道状空地の整備、地下車路の導入、駐輪場の拡充などを進め、地域全体の防災性向上を図る計画です。
(画像:三菱地所レジデンス、日鉄興和不動産、東京都、PIXTA)
鉄道チャンネル編集部
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