大井町線「6020系」エクステリア(画像:東急電鉄)

東急電鉄は、2026年度(令和8年度)の設備投資計画を発表しました。投資総額は約641億円(うち安全投資が過去最高の約511億円)となり、鉄道事業の持続的成長と安全性の向上を目指します。
本年度の主な目玉は、大井町線の各駅停車用「6020系」の追加投入(8編成)と、目黒線「3000系」・東横線「5050系」のリニューアル推進です。沿線住民の生活に直結する田園都市線では、鷺沼駅前の大規模再開発と連動した駅改良工事が本格化するほか、桜新町駅や田奈駅などのリニューアルも進められます。
本記事では、新型車両の導入から、将来のワンマン運転に向けたデジタル化、そして「自分の使う駅がどう変わるのか」まで、東急線の最新アップデート情報を分かりやすく解説します。

大井町線への新型車両投入や駅リニューアル工事

2026年度の計画では、車両の置き換えと駅空間の更新を並行して進めます。

大井町線では新型車両の投入を行います。各駅停車で使われてきた「9000系」「9020系」18編成90両の置き換えが進んでいます。後継となる5両編成の「6020系」は、現時点で9編成が営業運転を開始していて、2026年度はさらに8編成を導入する計画です。
「6020系」は、車両機器を常時監視する大容量情報管理装置を備え、故障の未然防止を図るとしています。車内には空気清浄機を設け、背もたれの高いハイバック仕様の座席を採用。従来の車両と比べ、騒音の低減や使用電力の削減も図るということです。

大井町線でのワンマン運転をめざす

大井町線では、将来の労働力不足や社会環境の変化に対応するため、2032年度を目標にワンマン運転の実施を目指しています。2026年度は、車両改造工事に向けた各種機器の設計に着手するとしています。

東急電鉄が目指す「AI画像解析技術」を活用した運転業務の高度化

ワンマン運転に向けて、大井町線には定位置停止支援装置「TASC」や、ホーム上の乗降監視に使うAI画像解析・検知システムを導入する計画です。東急電鉄は、デジタル技術を活用し、列車運行の安全性や安定性の向上を目指すとしています。

目黒線の車両更新

目黒線「3000系」エクステリア(画像:東急電鉄)
目黒線「3000系」エクステリア(画像:東急電鉄)

導入から約20年が経過した目黒線・東急新横浜線の「3000系」、東横線・東急新横浜線の「5050系(8両編成)」のリニューアルも進めます。3000系は前年度に3編成のリニューアル車両が営業運転を始めていて、2026年度は新たに4編成が営業開始予定で、5050系は同年度から順次、更新を進めるとしています。

田園都市線での駅リニューアルの状況

田園都市線では、桜新町駅、田奈駅、宮崎台駅でリニューアル工事が進み、鷺沼駅では駅前地区の再開発と連動した改良工事が進められています。

桜新町駅リニューアルイメージ(コンコース)(画像:東急電鉄)
桜新町駅リニューアルイメージ(コンコース)(画像:東急電鉄)

田園都市線では、地下区間5駅を対象にした「Green UNDER GROUND」として、池尻大橋駅、三軒茶屋駅、駒沢大学駅、桜新町駅、用賀駅の改良を進めています。2026年度は、第2弾となる桜新町駅のリニューアル工事を進め、秋ごろの竣工を予定しています。

田園都市線田奈駅のリニューアル後イメージ(画像:東急電鉄)

地上駅では、田奈駅と宮崎台駅の改良が続きます。田奈駅は築60年を迎え、ホームやコンコースの内外装を更新します。田園都市線沿線の「まちをつくる魅力」と、田奈駅周辺地域の「大らかな自然の魅力」を、駅デザインや仕上げ素材により表現することとしており、竣工は2026年12月ごろを予定しています。

田園都市線宮崎台駅リニューアル後のイメージ(画像:東急電鉄)

宮崎台駅では、駅前広場を含めたリニューアルを進めています。駅自体が「まちのリビング」のような存在をめざし、2028年度の竣工を見込んでいます。

鷺沼駅の改良工事

鷺沼駅では、駅前地区の市街地再開発と連動した改良工事が進みます。

鷺沼駅改良工事 駅まち一体の都市空間整備イメージ(画像:東急電鉄)
鷺沼駅改良工事 駅まち一体の都市空間整備イメージ(画像:東急電鉄)

鷺沼駅を中心に商業、都市型住宅、文化・交流など多様な都市機能集積及び交通広場整備など交通結節機能の強化を図るという計画になっており、地上32階・地下2階 の駅前街区と地上19階・地下2階の北街区の2つの大きな建物を中心とした開発計画になっています。

鷺沼駅前の改良工事後のイメージ (画像:鷺沼駅前地区市街地再開発組合)

東急電鉄では、2026年3月から工事に着手しました。駅から商業施設、公共施設、周辺地域をつなぐ歩行者動線を整備し、駅構内トイレの増設やリニューアルも行うとしています。竣工は2031年度を予定しています。

QR決済を推進!

乗車サービスでは、クレジットカードのタッチ決済とQRコードを活用した取り組みも広げます。東急線では2023年8月から、QRコードを活用した乗車サービスの実証実験と、デジタルチケットサービス「Q SKIP」を始めています。2024年5月からは、タッチ決済に対応したクレジットカードなどを使う後払い乗車サービスの実証実験も行っています。
2026年度は、前年度に続き、タッチ決済とQRコードに対応した改札機を増設する予定です。東急電鉄は、多様な乗車手段の利用動向を検証し、よりスムーズに移動できる環境づくりを進めるとしています。

戸越公園駅付近の連続立体交差や、新空港線整備に向けて

東急大井町線戸越公園駅付近には6カ所の踏切があります。これらの踏切除却のため、戸越公園駅付近の約0.9kmの区間をの高架化事業が、東京都が施行する都市計画事業として2026年2月に都市計画事業認可を取得。今後は説明会などを実施し事業が進められる予定です。

東急電鉄大井町線(戸越公園駅付近)連続立体交差事業 (画像:東京都)

また、新空港線(蒲蒲線)の事業化に向けた取り組みとしては、2025年10月3日に国土交通省から整備に向けた速達性向上計画の認定を受けました。東急多摩川線矢口渡駅・蒲田駅間から蒲田駅(地下駅)を経由し、京浜急行電鉄本線・空港線京急蒲田駅付近までの連絡線(新空港線)などを新設し、新空港線と東急多摩川線との直通運転を行うという計画です。将来的には、連絡線(新空港線)および連絡施設は、羽田エアポートライン株式会社が整備・保有し、東急電鉄がそれらを使用し営業するという計画です。

東急の決算状況は?

東急の2026年3月期連結決算は、交通事業やホテル・リゾート事業が安定して推移したことなどから、営業収益が1兆861億7900万円(前期比3.0%増)となりました。一方、不動産販売で前年度に大型物件の販売があった反動などにより、営業利益は1031億9300万円(0.3%減)でした。経常利益は1161億3200万円(7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は870億7100万円(9.3%増)となっています。交通事業では、東急電鉄の輸送人員が全体で増え(3.1%増)、運賃収入も増えた(1.8%増)ということです。

新型車両の導入から、駅の大規模リニューアル、そして最新の乗車サービスまで、進化が止まらない東急電鉄。毎日の通勤・お出かけが、これからさらに快適でワクワクするものになりそうですね。

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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