九州全土の豊かな風土、絶景、そして美食を5日間かけて味わい尽くす、JR九州の誇り高き黒い特急「36ぷらす3」。約4ヶ月の一時運休を経て、運行開始6周年の記念日となる2026年9月3日(木)より、かつてない最高峰のラグジュアリーへと進化を遂げて再始動を飾ります。
今回の大改修における最大のハイライトは、従来の畳敷き座席から全10室のラグジュアリーな「グリーン個室」へと生まれ変わった新6号車。さらに、九州各地の気鋭の名店が車内のためだけに腕を振るう、お茶菓子・ドリンク付きの「プレミアムランチプラン」も新たに投入されます
本記事では、プライベート空間のスペックや曜日ごとに変わる5つの美食ルートなど、より本物志向の旅を求める層に向けたJR九州の新たな一手を詳しく解説します。

【参考】JR九州の観光列車「36ぷらす3」6号車をリニューアル!5月から一時運休、2026年秋再始動へ(※2026年1月) https://tetsudo-ch.com/13020118.html

新・6号車は全室フローリングの「グリーン個室」へ進化

2020年の運行開始以来、多くの鉄道ファンや旅行者を魅了してきたJR九州を代表する観光列車=D&S(デザイン&ストーリー)列車が「36ぷらす3」です。九州が世界で36番目に大きい島であることにちなんだ36という数字に、 「驚き」「感動」「幸せ」という3つの要素をプラスすることで、36+3=39(サンキュー=感謝)を表わす名称の、豪華な特別急行列車で、特急「つばめ」などで知られる787系特急電車をベースにした黒い車体が印象的な列車です。
水戸岡鋭治氏がデザインをした、畳敷きの贅沢な個室やサロン空間といった、個性あふれる贅沢な車内も見所の一つです。曜日によって異なる5つのルートに九州を楽しむ35のエピソードが詰め込まれ、運行されています。

「36ぷらす3」のイメージ(画像:JR九州)

この特別な列車が、2026年9月3日の運行から新たな装いで走り出すことになります。今回の更新で最も注目されるのが、約4ヶ月の運休期間を経て全面リニューアルされた「6号車」です。

これまでは畳敷きのグリーン席として親しまれていましたが、今回の改装で1〜2名用の「グリーン個室」が全10室新設されました。通路と個室を仕切るパーテーションにはガラス張りを採用して開放感を確保しつつ、各個室にはそれぞれ異なるデザインの座席が配置され、圧倒的なプライベート空間を実現しています。また、床材がイ草からフローリングに変更されたことで、靴を履いたまま気軽に車内散策や3号車のビュッフェへ移動できるようになりました。

6号車(1~2名用個室)イメージ

お一人様利用のハードルも低下

従来の個室(1〜3号車)に加え、6号車に少人数用個室が増えたことで、夫婦や友人同士はもちろん、贅沢な「一人旅」での利用枠が大幅に拡充されました。追加料金を支払うことで1名での個室利用も可能となっており、周りの目を気にせず流れる車窓を独り占めできるのは、ファンにとっても大きな魅力です。

九州のテロワールを味わう「プレミアムランチプラン」新設

「36ぷらす3」運行ルートのイメージ(画像:JR九州)

6号車の個室化に合わせて新たに投入されるのが、極上の「プレミアムランチプラン」です。従来の片道JR券とお食事がセットになったランチプランがさらに進化し、お食事に加えてお茶菓子や食後のドリンクが提供されるワンランク上のサービスとなっています。

料理を提供する「食のおもてなしパートナー」には、九州各地で土地の恵みと真摯に向き合う名店がズラリと揃いました。

【月曜日】
・ルート:金の路(博多・佐賀⇒ 肥前浜・武雄温泉・早岐・佐世保)
※月曜日ルートの午後便(佐世保駅発→博多駅行)には、お食事付きプランの設定はありません。
・ランチプラン:日本料理ながおか(福岡県福岡市)

1~3号車「博多から西へ ご当地ご馳走御膳」イメージ(画像:JR九州)
6号車「食を愛する方へ 西九州より美食の玉手箱」イメージ

【木曜日】
・ルート:赤の路(博多・熊本⇒鹿児島中央)
・ランチプラン:花小町(熊本県熊本市北区植木町)

1~3号車「熊本の四季折々を詰めた御重コース」イメージ
6号車「肥後風土抄重」イメージ

【金曜日】
・ルート:黒の路(鹿児島中央⇒宮崎)
・ランチプラン:みろく、フランス厨房旬彩(鹿児島県鹿児島市)

1~3号車「“かごんま”うんまか弁当」イメージ
6号車「鹿児島の恵み フレンチ御重」イメージ

【土曜日】
・ルート:緑の路(宮崎空港・宮崎⇒大分・別府)
・ランチプラン:pappacarboneパッパカルボーネ(宮崎県宮崎市)

1~3号車「ご縁を結ぶ“わ”イタリアン」イメージ
6号車「pappacarboneが描く青海波○まる」イメージ

【日曜日】
・ルート:青の路(大分・別府⇒小倉・博多)
・ランチプラン:RISTORANTEリストランテ Obaオオバ(大分県大分市)

1~3号車「季節の大分食材を使った彩りイタリアン」イメージ
6号車「大分食材のご馳走コース料理 お重仕立て」イメージ

伝統文様「青海波」が刻まれた竹製お重

プレミアムランチプランのお料理は、熊本県南小国町の企業「Foreque」の協力のもと制作された、九州産竹材を使用したオリジナルのお重で提供されます。お重の蓋には、日本の伝統文様である「青海波(せいがいは)」が丸く切り抜かれており、「お客さまの旅が丸く穏やかに続きますように」という温かな願いが込められています。

なお、従来の5・6号車で提供されていた「座席ランチプラン」は2026年5月11日をもって終了し、今後の5号車(30席)はすべて、きっぷのみで乗車できる「グリーン席プラン」として発売されます。駅弁や持ち込みの食事、3号車ビュッフェでの軽食を自由に楽しみたい派には5号車がおすすめです。

JR九州が狙う「観光列車の高付加価値化」戦略

今回のリニューアルで注目したいポイントは、JR九州が明確に「観光列車の高付加価値化(ラグジュアリー化)」へと舵を切った点です。今回発表のプレスリリースでも、節目に「走る九州としての価値をさらに高める」と明記されています。

近年、国内の観光列車は単に「珍しい車両に乗る」フェーズから、「その列車でしか得られない特別な時間とプライベート感を味わう」フェーズへと移行しています。特にインバウンドの富裕層や、国内のシニア・アッパー層は、移動中も周囲に気兼ねしないパーソナルな空間を強く求める傾向にあるといえます。

JR肥薩線の球磨川橋梁を渡る「36ぷらす3」(写真:PIXTA)

従来の畳敷き座席も和の風情がありましたが、相席や周囲の賑やかさが気になる場面もありました。全室ガラス張りの個室へと大胆に改修し、竹製のお重や地元の名店フレンチ・イタリアンを組み込んだプレミアムプランを展開することは、客単価の向上と同時に「九州観光のフラッグシップ」としての存在感をより盤石にするという狙いがあると考えられます。
また、787系という名車をベースに、これほど多彩な個室バリエーションを持たせた特急電車は全国的にも類を見ません。マルチカーでの体験イベントやビュッフェでの語らいといった「動の楽しみ」と、新6号車での静寂な「静の寛ぎ」がシームレスに繋がることで、何度乗っても新しい発見があるテロワールツーリズム(風土に、生産者の技術や歴史・文化などを掛け合わせた体験を提供する観光)の高みが体感できるでしょう。

「36ぷらす3」の運転カレンダーと予約方法

リニューアル後の運転開始は、運行開始6周年の記念日2026年9月3日(木)になります。

「36ぷらす3」2026年9月の運転日(画像:JR九州)

10月~2月の運転日に関しては、以下のカレンダーでご確認ください。

「36ぷらす3」2026年10月1日~2月22日の運転日(画像:JR九州)

JR九州「36ぷらす3」の予約は、食事などがセットになった旅行商品と、グリーン席プラン(JRのきっぷのみ)とで、予約・購入方法などが異なります。

1、記の旅行商品の各プラン

旅行商品は、「36ぷらす3」専用ホームページまたは、全国の主要旅行会社で購入することができます。

●ランチプラン(1~3号車):JR券と食事がセットに。1・2・3号車の個室の利用が可能。
●プレミアムランチプラン(6号車):JR券と食事、お茶菓子・食後のドリンクがセットになったプランで、6号車の個室利用が可能。
※ランチプラン(1~3号車)とプレミアムランチプラン(6号車)では、お食事の内容と旅行代金が異なります。食事のアレルギー対応は行っていません。
※月曜日ルートの午後便(佐世保駅発→博多駅行)には、食事付きプランの設定はありません。

<9月運転分>2026年6月5日から販売が開始されています。、「36ぷらす3」専用ホームページなどで空き状況をご確認ください。
<10月運転以降の販売受付開始> 2026年7月16日(木)11:00~

<基本代金に含まれるもの>
・1~3号車は「JR券(片道)」+「ファーストドリンク」「お食事」
・6号車は「JR券(片道)」+「ファーストドリンク」「お食事」「お茶菓子・食後のドリンク」
<発売対象商品>
~2月22日(月)運行分のランチプラン(1~3号車)・プレミアムランチプラン(6号車)

<旅行代金>

「36ぷらす3」2026年10月~2027年2月のランチプランの販売価格(画像:JR九州)

<販売場所>
「36ぷらす3」専用ホームページ、全国の主要旅行会社
※ご予約にはJR九州WEB会員登録が必要です。
※みどりの窓口での発売はございません。利用される乗降駅に関わらず、旅行代金は同一金額です。

<発売対象商品>
~2月22日(月)運行分のランチプラン(1~3号車)・プレミアムランチプラン(6号車)

2、グリーン席プラン(きっぷのみ)の販売

「JR九州インターネット列車予約」、JR九州の「みどりの窓口」、主な旅行会社で購入できます。5号車の座席を利用できます。こちらは、乗車日の1ヶ月前(前月の同じ日)の朝10時から受付が開始されます。
※グリーン席プランのご予約にはJR九州Web会員IDが必要です。

生まれ変わった新6号車とプレミアムな美食で、さらなる感動を届けてくれる「36ぷらす3」。あなたも新しくなった”走る九州”に乗って、まだ知らない九州の魅力に触れる旅へ出かけてみませんか。
(画像:JR九州、TOP画像他:Pixta)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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