中目黒駅前に高さ160mの複合タワー「中目黒駅前北地区」再開発の全貌

おしゃれな街並みと目黒川の桜で知られる中目黒。その玄関口である中目黒駅前で、大規模な再開発計画「中目黒駅前北地区第一種市街地再開発事業」が進行しています。高さ約160mの複合タワーマンションを中心に、商業施設や広場が整備される本計画。東急東横線や日比谷線の利用者にとっても気になる、駅前の歩行空間の改善や防災機能の強化など、街の未来図を深掘りします。
高さ160m、地下5階・地上37階建ての複合タワーが誕生
目黒区が都市計画手続きを進めている「中目黒駅前北地区」は、山手通りと目黒川、そして中目黒駅に挟まれた約0.6haの区域です。現在は老朽化した旧耐震基準の建物が約4割を占め、細い路地が密集していることから、防災や交通安全の面で課題を抱えています。
計画では、これらの課題を解決するため、地下5階・地上37階建て、高さ約160mの複合ビルを建設します。建物は低層部に商業施設や生活支援施設が入り、中高層部には約260戸の住宅が整備される予定です。駅前の土地を高度に利用し、新たな定住人口の確保と都市機能の更新を図ります。

歩行者ファーストの空間と目黒川沿いの広場整備
この再開発の大きな目玉は、敷地面積の約6割(約2,230平方メートル)を占めるという広場や歩道状空地の整備です。目黒川沿いには、地上広場や大階段、2F・3Fテラス広場など豊かなオープンスペースが設けられます。
春の桜の開花時期には、目黒川沿いは大変な混雑となりますが、これらの広場が整備されることで、安全で快適な歩行者空間が確保され、オーバーツーリズム対策としても機能することが期待されています。また、水害時の浸水想定深さ(T.P.10.3m)より高い位置に広場を設けるなど、災害時には帰宅困難者の一時退避場所としての役割も担う計画です。

東急線ユーザーから見た再開発の影響と交通動線の変化
本事業には、事業協力者として丸紅都市開発株式会社とともに、東急株式会社が参画しています。中目黒駅は東急東横線と東京メトロ日比谷線が乗り入れる交通の要衝です。
計画では、駅の鉄道高架に沿った道路(区道B-40号線)が自転車歩行者専用化、または歩行者専用化され、敷地内を貫通する歩行者用通路も新設されます。現在、駅周辺では歩行者と車両が交錯して危険な箇所もありますが、この歩車分離によって駅からの回遊性が劇的に向上し、より安全に駅周辺を歩けるようになります。

都市更新と住民感情のバランス
市街地再開発事業は、街の利便性や防災性を飛躍的に高める一方で、従来の街並みが失われることへの懸念も伴います。目黒区に寄せられた意見書や説明会の記録によれば、地域住民からは160mという高さやビル風、長期間の工事に対する慎重な意見や、現状の「中目黒らしさ」が失われることへの懸念の声も上がっています。
行政や準備組合がどのように対話を重ね、自然との共生やヒューマンスケールに配慮した設計に落とし込んでいくかが成功の鍵となります。単にビルが建つだけでなく、中目黒らしい「路地的な魅力」と「最新の都市機能」がどう融合し、駅利用者の利便性がどう向上するのか、今後の進捗に引き続き注目していきます。
読者の皆さんは、生まれ変わる中目黒駅前にどのような期待を寄せますか?どのように変わっていくのか目が離せません。
(画像:目黒区のwebサイトより)
鉄道チャンネル編集部
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