JR旧大船工場のことを少し書いておきましょう。敷地自体は横須賀海軍工廠深沢分工場で魚雷や爆雷の製造工場でした。1945年(昭和20年)戦後すぐに大井工機部(現・東京総合車両センター)大船分工場として発足、1952年(昭和27年)大船工場に改称されました。国鉄分割民営化後JR東日本に継承され2000年(平成12年)に大船電車区(検修部門)と統合され鎌倉総合車両所になりました。2004年(平成16年)鎌倉総合車両センターに改称されましたが2006年(平成18年)に廃止となり閉鎖されました。

この大船工場では107系電車が1988年(昭和63年)から1990年(平成2年)にかけて12両、205系電車が1989年(平成元年)から1991年(平成3年)の間に6両、209系電車が1992年(平成4年)から1994年(平成6年)に14両、E217系電車(正に横須賀線で使われています)が1996年(平成8年)から1998年(平成10年)に12両製造されました。その他113系電車、185系電車、183系電車、215系電車、251系電車、253系電車、255系電車など多くの車両の検査を行ってきました。

しかし209系電車以降「新系列車両」増加による保守体系の見直しなど検査業務縮小となり閉鎖されました。工場跡地は元が軍需工場から始まった場所ですから鉛などの有害物質などの土壌処理をした後鎌倉市が周辺地域を含めた総合整備事業を行う予定になっています。

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さて、次の踏切から元の方向を見るとモノレールが見えます。

工場方向は横に県道302号線が工事中です。

県道沿いから見ると、草があまり無いので線路が見えます。

線路脇に「JR用地に付き(ごみ?)等を捨てないで下さい。」という看板がありました。

次の踏切、線路が切られています。左側は県道。

工場方向は草に埋もれています。

架線の支柱が続いています。道路には県道302号が藤沢方面に向かう標識があります。山崎跨線橋南交差点です。引き込み線跡は県道304号線江の島方面に沿って進みます。

交差点手前でまた線路が見えます。

交差点手前に小さな踏切がありますが工場方向は草で線路は見えません。

交差点を過ぎると引き込み線跡は県道を離れ住宅の中に入って行きます。

そのまま県道を進むと左手にまた踏切がありました。

山崎跨線橋南交差点が見えます。線路脇には設備が残っています。

こちらは工場方向、ここからは完全に住宅地の中になってしまいます。

ここまで大船駅から寄り道しながら約40分位です。この後県道304号を進みます。【鉄の一瞥 31】 JR東日本旧大船工場引き込み線跡 その3 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)