砺波平野を縦断

城端線はチューリップと散居村(集落としてかたまらず家が一軒ずつバラバラに点在する)で知られる砺波平野を南北に貫く地域輸送線です。高岡駅〜城端駅間は29.9km。全線単線・非電化。

沿線に高校が多いので朝夕は学生で混雑します。2015年(平成27年)の北陸新幹線開通後は北陸本線金沢駅〜倶利伽羅駅間がIRいしかわ鉄道、倶利伽羅駅〜市振駅があいの風とやま鉄道、市振駅〜直江津駅間はえちごトキめき鉄道に移管されたために氷見線とともにJR在来線と接続しない路線になりました。

キハ40 高岡色

まだ北陸本線時代の高岡駅の城端線城端行キハ40 2092。撮影した2014年11月には少なくなった高岡色でしたが、全般検査後に朱色に塗られてしまった様です。観光資源としても地方色車両を残しておけば良いと思いますが、JR西日本は塗装を朱色に統一することに熱心です。

南側は山々

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城端駅ホームから終端部です。ここから先、南東側に山々が続きます。その奥に合掌造りの白川村があります。

駅名標。2004年(平成16年)まで城端町でしたが合併されて南砺市になりました。

明治30年の木造駅舎

1897年(明治30年)開業以来の木造駅舎。青春18きっぷのポスターにも使われました。この駅舎を見るために城端駅に行く価値があります。

駅舎のアップです。元の撮影が4:3なので16:9にすると奇妙な写真になってしまうのでそのままです。

駅舎内に城端線・氷見線のラッピング列車ポスターがありました。

城端は静かな町です

駅前に民俗学の柳田國男の言葉が記された看板がありました。柳田が明治40年(1907年)に北陸を旅した時の旅日記の一文「城端は機(はた)の声の町なり。寺々は本堂の扉を開き、聴聞の男女傘を連ね、市立ちて、甘藷(さつまいも)の苗を売る者多し。麻の暖簾京めきたり。」です。

駅舎からの眺め。南西方向の山々が見えます。

城端線城端駅と氷見線氷見駅を直接結ぶ観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」が2015年(平成27年)から運行されています。正に山の幸(肥沃な砺波平野の幸)と海の幸(氷見は寒ブリで有名)を楽しめる路線です。

(写真・記事/住田至朗)