9月3日、名古屋を経由し豊田市で仕事を終えて、再び名古屋へ。

仕事を終えて、早く帰りたい気持ちをおさえながら、そのひとつ先の駅に降りる。

【ここどこ?】

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地下鉄の駅を降りて、ノリタケの森の東側に、老舗の大衆居酒屋が並ぶエリアがある。

「おひとりですか? カウンターどうぞー」

うながされて、最も入り口に近い席に座る。「入り口、●●●●●●!」

この●●●●●は、店の発注コード。まったくわからない。

頼んだのは、肝焼き、心臓、どて煮、串かつ、厚揚げ……などなど1本ずつ。すべて、80〜90円。やすい。

カウンターには、新聞紙をきれいに切った紙切れ。どて煮の串を触るときに、それカバーして手がベタベタにならないように、だっけ?

仕事上がりの◯◯屋、うまい。串を焼く炎、風にゆれるのれん、ぐつぐつと煮える地獄絵図のようなどて煮の鍋……。

そんな光景をぼーっとながめながら、いっぱいやれる。

この店のすごいのは、地元客のテイクアウトがはんぱないこと。

名古屋弁で、「〜〜〜を10本、〜〜〜〜を6本」といった注文が、次々とある。

外でテイクアウトを待つ客、どて煮の湯気、串焼きのけむり、ゆれるのれん、名古屋弁……。

もっとすごいのは、なじみの地元客は、カウンターすら座らない。

鍋前、のれん下のわずか30センチほどのカウンターで、立って喰らう。店主と話しながら。

そこに、忙しい店内でしれっと動きながら、客のオーダーを聞いていく女子の左手には、ROTTENGRAFFTYのリストバンド。

「ロットン、お好きなんですか。フェスとか行くんすか?」

「あーはい。ラブシャの初日も行きましたよ」

まさかの、同じ場にいた人。名古屋で再開。

きょうもうまかった。名古屋の◯◯屋。いまその余韻にひたりながら、新幹線のぞみ48号の自由席D席でこれを記している。