複数の自動運転車を5G遠隔監視制御、全国初の実験に埼玉工業大学 大学院生がシステム監視を担当

2019.02.19

ここは、名古屋駅から東海道線電車で10分の、尾張一宮。

愛知県一宮市にある、KDDI名古屋ネットワークセンター。

この静かな街で、全国初の自動運転実証実験が行われた。

なにが初めてかというと、5G (第五世代移動通信システム)を使い、複数の自動運転車を、ひとりのオペレーターが遠隔で監視・制御するという実験。しかも、公道で。

しくみはこう。KDDI名古屋ネットワークセンターのなかに、カーゲームのようなハンドル・ペダル類・モニターが設置され、ここで2人(うち予備員ひとり)のオペレーターが自動運転車をみつめている。

公道にいる自動運転車たちは、運転席には誰も座ってない。助手席には、システム監視者を乗せて、ほぼ自動で走っている。

この5Gでつながった自動運転車の助手席に座ったシステム監視者が、なんと埼玉工業大学の大学院生。

埼玉工業大学発ベンチャー、フィールドオートの実績から大抜てき

この国内初「5G等を活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験」は、アイサンテクノロジー、KDDI、KDDI総合研究所、損害保険ジャパン日本興亜、ティアフォー、岡谷鋼機、名古屋大学などが手を組み、実現。

埼玉工業大学発ベンチャーのフィールドオートは、ティアフォー出資によって設立されたことから、こうした自動運転実証実験の場で、多くの実績をこれまで積んできた。

今回、5Gで結ばれた自動運転車の助手席に、埼玉工業大学の大学院生がシステム監視者として抜てきされたのは、これまでの実績を評価されて実現。

この実証実験では、運転席にドライバーがいない車両で、5Gという高速通信を介すことで、交通量の多い公道を時速30kmで2台同時に走らせられることを確認。

これまでの「遠隔走行時は時速20km制限」をクリアし、高速・大容量・低遅延の5G回線が有効であることを実証。

この日、自動運転車に試乗してみた愛知県 大村秀章知事と一宮市 中野正康市長は、「時速30kmって意外と速いんですね。運転席に人がいないうえに、こんなに速く、しかも安全に走っている姿を目の当たりにしてみると、完全自動運転の将来もそう遠くないと思いましたね」と。

高崎線沿いの大学からAI時代の新しい“風”

この日、5Gで結ばれた自動運転車の助手席でシステム監視する埼玉工業大学大学院生のそばには、埼玉工業大学情報システム学科の渡部大志教授の姿も。

その渡部教授が社長を兼任する埼玉工業大学発ベンチャー フィールドオートは、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム/大規模実証実験での自動運転実証実験の経験・ノウハウをいかし、オープンソースの自動運転ソフトウェアを開発・提供。「さらにこれらの研究・ノウハウを学外移転していく」と渡部教授は話していた。

―――愛知県一宮市で、また一歩前進した自動運転分野。埼玉工業大学は、こうした自動運転車プロジェクトへの参画のほか、AI時代の人材育成にむけ、この春、工学部情報システム学科にAI専攻を新設予定。

高崎線の小さな駅、岡部駅を最寄りとする埼玉工業大学からこの春、AI時代の“風”が吹いてくる―――。

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