JR北海道長期経営ビジョン発表――2031年度経営自立をめざす

2019.04.10

 

JR北海道は4月9日、2031年度の経営自立をめざして「JR北海道グループ長期経営ビジョン 未来 2031」「JR北海道グループ中期経営計画2023」などを策定したことを発表しました。

「長期経営ビジョン 未来 2031」では「開発・関連事業の拡大による事業構造の変革」「輸送サービスの変革」「鉄道オペレーションの変革」の3つの戦略を掲げて長期的なヴィジョンを示しています。

開発・関連事業の拡大による事業構造の変革

現在およそ800億円(利益約100億円)となっている開発・関連売上を2031年までに1.5倍へ拡大し、売上約1200億円(利益約150億円)を目指します。

軸となるのは、JRインの多棟化、国際水準の高級ホテル参入等を中心とする北海道のホテル事業の拡大。キヨスクのセブンイレブン化、JR生鮮市場の出店拡大、カーシェアリングの導入といった生活関連事業の展開。マンション事業、沿線の価値を高める駅周辺再開発や高架下開発などの不動産事業の拡大。新タワービルの開発、連動したJRタワーのリニューアルに代表される新幹線口の再開発の四つ。

新函館北斗―札幌間の新幹線の開業は2031年頃に予定されています。新幹線利用者の増加を見込んだ対応と事業展開に注目したいところです。

輸送サービスの変革

札幌―東京間最速四時間半の大動脈が確立すれば、首都圏からの利用者増のみならず、札幌~函館1時間圏の創出によるライフスタイルの転換が生じます。JR北海道は貨物列車との共用走行問題や防音壁など鉄道施設の設計・施行への反映、雪害対策の実施などでこれに挑戦する構えを見せています。

2020年度の来道外国客数予想はおよそ500万人、2030年度にはさらに1.5倍となる750万人が来道するものと想定されており、これに対応するためJR北海道は新千歳空港のアクセスを改善することで受け入れ態勢を強化します。

また、維持困難線区に関しては鉄道からバスへの転換などで代替の交通手段を確保し、利用の少ない線区においては利用者増や駅設備のスリム化、観光利用の促進などで対応を図ります。維持困難線区として記憶に新しいのは石勝線ですが、他にも札沼線や日高線、留萌線、根室線が候補に挙がっています。

鉄道オペレーションの変革

JR北海道は「絶対に守るべき安全の基準を絶対に維持する」考え方に基づき平成28年度以降安全投資や修繕費の確保に取り組んでいます。列車運転の安全性向上のための防災・減災技術の高度化や鉄道設備の自動監視、メンテナンスの自動化・省力化によって安全性の向上を図ります。

また、先端技術を取り入れた鉄道設備のシンプル化、鉄道を取り巻く情報のネットワーク化(MaaSによるシームレスな交通)などで効率化を図り、鉄道オペレーションを変革していく構えを見せています。

こうした戦略により2031年度にはグループ会社利益を含み連結最終利益を黒字化し、国の支援を受けることなく経営自立することを目標としています。

その他、経営基盤の強化施策の中では直近の観光列車の取り組みとして、他社車両による観光列車の運用や、リゾート車両老朽更新による多目的車両の新製、キハ40形「紫水」号「山明」号の投入が予定されています。

【詳細】JR北海道ニュースリリース

「JR北海道グループ長期経営ビジョン」等について(PDF)


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