とにかく吹越駅から有戸駅までは、13.4kmもあります。大湊線の平均駅間は5.8km、JR在来線でも比較的長い方だと思います。それでも、その平均駅間の倍以上あります。

また、鉄道防風林ですが「風」の警告灯が設置されています。「大湊線は、強風が原因でしばしば運休するので自動車を持たない沿線住民はとても困る」という訴えが青森県民の声データベースにありました。特にここから先、頻繁に「風」警告灯が線路脇に出て来ます。

防風林が切れると陸奥湾が見えます。ヤマセ(偏東風)の季節ではありませんが。やはり風は強い様です。

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駅予告票があって、ようやく有戸駅。既に書きましたが、吹越駅から13.4km、約11分かかりました。側線は保線車両の車庫につながっている様です。

単式ホーム。ここにも「風」警告灯が設置されています。とにかく風が強いエリアなんですね。

乗降客は無し。ホームの雪の上に足跡はありません。ホーム下に待合室。JR東日本仕様風の縦長駅名標。

野辺地方面を見ていますが、駅名標がちょっと遠いので撮影できませんでした。1921年(大正10年)大湊軽便線時代に開業しています。もうすぐ開業100年ということになります。

ホーム野辺地駅側の端にある「風」警告灯に「S」と表示されています。こちらが表面の様ですね。セーフ(safe)の「S」でしょうか。

有戸駅から北野辺地駅までの駅間も、6.8kmあります。陸奥湾の海の傍を走りますが青い海は見えません。

風が強いので風車(風力発電機)があちこちにあります。小さく見えますが支柱の高さは約70m、風車の直径は約60mと巨大なのです。1基当たり2000キロワットの発電能力があるそうです。蓄電池を装備していて風の無い時にも対応しているとのこと。山陰線沿線の日本海際、特に山口県、島根県当たりでも多くの風車(風力発電機)を見ましたが、下北半島の数には及びもつきません。

防風林が途切れると風の標識があります。ここも「S」が表示されています。運転士さんに訊いたら「今日の風は穏やかです」というお答えでした。

6.8kmもなかなか走り応えがあります。しかし、東京では既に桜が咲いているとは思えない景色です。

さて、大湊線沿線では駅周辺に最も人口の多い北野辺地駅に着きます。北野辺地駅からは内陸部を南下して旧・東北本線、現・青い森鉄道の野辺地駅に到着して大湊線の鉄道旅は終了します。

【非電化路線に乗ろう02】大湊線 その10 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)