無人のようで無人じゃないNewDays、武蔵境nonowa口のセルフレジ専用・キャッシュレス無人店舗に行ってみた
2019年7月、武蔵境にNewDays初のセルフレジ専用キャッシュレス・無人店舗が出来るというニュースがありまして。
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セルフレジ自体は今や珍しいものではありません。スーパーやコンビニに行くと有人レジと一緒にセルフレジが併設されていて、有人レジは人でいっぱいだけどセルフレジには全然人がいない、という光景を目にすることもたびたび。そこでささっと買い物を済ませると「並ばなくて済んで良かった」と感じることもありますね。
米国ではキャッシュレス禁止の動きもあるのでやや先行きは不安ですが、AmazonGOの決済システムは大きなインパクトを残しましたし、2018年にローソンが発表したウォークスルー型決済やJR東日本が昨年赤羽駅で実施していたAI無人決済店舗の実証実験などを見るに、日本でもレジレス化が進んでいきそうな気配が漂っています。武蔵境nonowa口にオープンしたNewDaysはそういった最新のテクノロジーを駆使した店舗ではありませんが、有人レジの撤廃という点に注目すると進化の過程を見ているようで面白いと思いませんか?
というわけで、件の無人店舗があるという武蔵境へ行ってみました。
改札の向こうにぼんやり見えているのがお目当てのNewDaysです。JR武蔵境駅nonowa口の改札はそもそも交通系ICカード専用なので、そこで使った交通系ICカードをカバンや財布にしまわずに店舗へ直行すれば良いわけですね。外から来た場合は逆で、NewDaysで買い物した後にカードを持ったまま改札を通ればいい。
真昼間に行ったので店内のお客さんは自分ともう一人だけ。最初に感じたのはその狭さでした。他の買い物客とすれ違うのもギリギリ……とはいえNewDaysの店舗面積は立地の関係上狭いのでさほど違和感はありません。
壁一面に商品が陳列されています。入り口付近にはグッズ類もありましたが、メインはやっぱりコンビニらしく食品と飲料。忙しい人のための品揃えですね。
早速商品を選んで店の奥のセルフレジへ。写真ではちょっと見にくいかもしれませんが、なにか問題が起きた時はレジの間にある押しボタンで店員さんを呼ぶことも可能です。
使い方は他のNewDaysのセルフレジと同じ。商品のバーコードをピッと読み取り。同じ商品を二回読み込ませてしまった場合は取り消してやり直しましょう。
キャンペーン期間中なのでお支払い金額は5%OFF。レシートもボタンを押さないと出ないので、欲しい人以外はスルーすればOKです。
お支払いが完了したら、後はレジの下にあるレジ袋を勝手に一枚取って購入した商品を詰め込めばおしまい。交通系ICカードのチャージ残高に気を配ってさえいれば便利に使えそうですね。チャージ金額が足りない時の緊急手段として(?)クレジットカードも使えます。
セルフレジ専用店舗のメリットは?
無人店舗とうたわれていますが品出しなどの作業に人手が必要ですので、完全に無人ではありません。実際、私が訪れた時は店員さんと思しき方がお二方いらっしゃり、売り場の方に顔を出したり店舗の奥へ戻ったりとお忙しいようでした。
もちろん店員さんはレジオペレーションを行いません。セルフレジ専用店舗はまずこのメリットが大きいですよね。年齢確認が必要な酒類・タバコ類の取り扱いもなし。チケットの発券などのサービスもなしということで、業務の幅は一般のコンビニより狭まるはず。まあ二重会計しちゃった人から「今の取り消してもらえませんか?」というお問い合わせはそこそこありそうですが、それでも現場の負担は減るでしょう。客側としても会計時のやり取りがなくなるので時間短縮につながります。
もう一つの大きなメリットとして考えられるのは、レジカウンターのスペースを狭められる点。有人レジが一台でもあればカウンターの内側に人が動き回れるだけのスペースが必要になりますが、セルフレジ専用店舗ならこのスペースは潰してしまって構いません。
リリースによれば武蔵境nonowa口店の店舗面積は25.2平米、売り場面積は18.2平米。私たちがコンビニと聞いて想像するようなセブンイレブンやローソンなどの1/5程度かそれ以下です。でもNewDaysKIOSKのような実質的な売店にしてしまうにはやや余裕があるというもどかしさ。この「狭さ」もセルフレジ専用店舗導入の決め手の一つだったのではないでしょうか。
実際に現場を訪れてみた印象として、NewDays武蔵境nonowa口店は、ICカード専用改札のすぐそばという立地、店舗面積・売場面積、有人レジ・現金決済一切なしの出店がどんな結果を産むのか、といった思惑が交じり合った実験的な店舗ではないかと感じました。JR東日本およびJR東日本リテールネットは「首都圏のNewDaysでセルフレジを活用したキャッシュレス・無人店舗を展開していきます」と発表していますし、今後の動向に注目していきたいですね。
(文/写真:一橋正浩)