1963(昭和38)年から1984(昭和59)年まで、21年間にわたって3400両を超えるまでつくられた国鉄通勤形電車、103系。

JR東日本エリアからはすでに姿を消して久しい形が、JR西日本の京阪神エリアではまだ現役で走っている路線がある。

その成り立ちやルートがユニークな山陽線の支線、和田岬線は、兵庫と和田岬を結ぶひと駅盲腸線。

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ここに、網干総合車両所明石支所所属するブルーの103系6両R1編成が入るときがある。

平日は7~9時台、17~22時台に運転。土休日は朝1往復、夕方1往復しか走らない。2.7kmという短い区間の途中に、川崎重工業車両カンパニー兵庫工場との連絡線や、和田旋回橋といったポイントがある。

京都と城陽・奈良を結ぶ奈良線には、吹田総合車両所奈良支所所属のうぐいす色4両NS編成が入る。和田岬線と奈良線のどちらにも低運転台・低窓の初期タイプがいる。

また、中間電動車モハ102に運転台を設置し先頭車化したクモハ102と既存クモハ103を組み合わせた、網干総合車両所所属のあずき色2両BH編成3500番台が、播但線を行く。すべて40N体質改善工事を受けたタイプで、側窓サッシやボディが原型を留めないほど刷新されたつるんとしたタイプに。

この播但線BH編成と同様の103系が加古川線を走る。網干総合車両所明石支所加古川所属の103系3550番台M編成は、貫通扉つきのフェイス。カラーは常磐線と同じエメラルドグリーンだけど、40N体質改善工事後のボディと2両編成、貫通扉顔からか、常磐線と同じ面影はない。

―――6両、4両、2両と、各路線の個性を持ち合わせながらいまも走る関西の103系。国鉄形通勤電車のレジェンドな走りを、五感をフルにきかせて感じてみて。

写真 記事:鉄道チャンネル編集部