三菱商事は、エジプトの大手建設会社 Orascom Construction ほかとコンソーシアムを組み、エジプト・アラブ共和国運輸省のトンネル公団(National Authority For Tunnels:NAT)から、カイロ地下鉄4号線第一期向け鉄道システム納入を受注。約900億円で契約を締結した。

カイロ地下鉄4号線第一期は、全長約19km、駅数16駅。カイロ中心部から大カイロ都市圏の南西部に位置するピラミッドを結ぶ新路線。カイロ地下鉄は1・2・3号線が走り、この4号線のほかに5・6号線が計画されている。

このカイロ地下鉄4号線第一期建設プロジェクトで三菱商事は、商務関連とシステムに必要な機器供給を担当。Orascom は土木工事や車両運転指令所などの建屋建設を担当する。

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おもな機器供給内容は、信号設備、受配電設備、通信設備、プラットホームドア、自動料金収受システム、軌道工事、車両基地設備など。

首都カイロでは、都市化の進展による急激な人口増加や自動車台数の増加にともない、公共交通機関の整備が急務といわれている。

同プロジェクトは、大カイロ都市圏の交通渋滞緩和に大きく貢献することが期待され、同路線がカイロ中心部とピラミッドや現在建設中の大エジプト博物館をつなぐことから、観光大国カイロの観光路線としても大きく注目されている。

三菱商事はエジプトで過去50年以上にわたり約1600両の鉄道車両の納入実績がある。

同社は引き続き、エジプトの鉄道インフラプロジェクトへの積極的な参画を通じ、同国の交通インフラの拡充、経済発展への貢献をめざすという。

同プロジェクトは、国際協力機構(JICA)による円借款が供与され、日本の鉄道技術の活用が期待されている。また、エジプトで初めて本邦技術活用条件(STEP:Special Terms for Economic Partnership)が適用された円借款事業。