アカウントアグリケーション時代へ前進、金融系26社が銀行共通API開発研究会を始動_3か月で仕様書公開をめざす

2020.12.02

銀行や証券などの金融サービスや、ECサイト、航空会社マイレージ、Suicaポイントなど、すべての金・ポイントに関する情報を、ひとつのアカウント(ID・パスワード)で確認・運用できるアカウントアグリケーション時代がくる―――。

そんな近未来に一歩、前進。会計ソフトメーカーやフィンテック関連団体など26団体がつくる「銀行共通API開発研究会」が始動した。

銀行APIとは、預金者の口座を管理する金融機関のシステムと、フィンテック企業のシステムとの間をつなぐ、アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API:Application Programming Interface)。

海外ではフィンテック企業と金融機関とのコラボレーションにより、さまざまなサービスが提供されているなか、日本は銀行ごとにAPIが異なる仕様のため、フィンテック企業は、個々の銀行ごとにひとつひとつAPIを開発しているのが現状です。

この複雑さが、フィンテックサービスの開発と普及を遅らせる原因といわれている。

現在、契約がすすんでいるのは参照系(AISP)といわれる口座情報取得サービスに限られ、更新系(PISP)といわれる預金振込などの口座情報取得サービスについてはまだ、ほとんどすすんでいない。

2021年2月には銀行共通APIの仕様書を公開

「証券会社をのぞく、日本の金融機関数は873。作成したシステムは280にのぼる。参照系API、更新系API、世界の銀行とのAPI、いったいいくつのAPIを開発すればいいのか。エンドレスで時間と労力の無駄。このままだと、日本はこのフィンテック界でもまたITガラパコスになる」

そう語るのは、一般社団法人フィンテックガーデン舘村真二理事。舘村理事は、ばらばらにある国内銀行APIを、ひとつの共通APIにまとめるメリットについてこう伝える。

「まず銀行ごとにAPIをつくる必要がない。さらに更新系システム開発が加速し、国内フィンテックビジネスも活性化する。ひいては、日本が世界のフィンテックビジネスに参加できる。いまならまだ間に合う」

銀行共通API開発研究会は今後、12月初旬に銀行共通APIの仕様検討、12月下旬に銀行共通APIの仕様書作成、2021年1月に銀行共通APIバージョン1モックを作成、2021年2月に仕様書の無償提供を展開する構え。

銀行共通API開発研究会 参加企業(2020年12月現在)

銀行共通API開発研究会の参加企業は、次のとおり(50音順)。

アイパワー、アークテクト、エプソン販売、カーム、COUS、クラウドアシストサービス、クラウドインボイス、佐山経済研究所、シスプラ、スマイルワークス、辻・本郷税理士法人、タテムラ、TBSビジネス・ソリューション・テクノロジー、ティー・ワイ・ソリューションズ、日本情報開発、日本情報振興協同組合、日本ビズアップ、HAYAWAZA、ファーストアカウンティング、バンカーズ・ビジネス・ソリューションズ、一般社団法人フィンテックガーデン、フィンテックを考える税理士の会、フリーウェイジャパン、MAP経営、山中ソフトウェア製作所、ROBOT PAYMENT、以上

また、同研究会の代表は、フリーウェイジャパン井上達也 代表取締役が務め、金融部門の最高情報システム責任者にはバンカーズ・ビジネス・ソリューションズ大場昌晴 代表取締役(もと三井住友銀行)、開発部門の最高技術責任者を佐山経済研究所 佐山宇宏代表取締役(もと米国SAP Concur日本支社CTO、もと英国Fraedom日本支社CTO)が担当。

同研究会は、研究成果を紹介するイベントや情報発信を積極的に展開し、金融機関をはじめとした参画企業・団体を随時募集していく。

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