JR東日本は、BRT線区での自動運転の実用化を見すえ、現在BRT路線を走る大型ハイブリッドバスを改造し、BRT専用大型自動運転バスを製作。

1月18日~3月15日に気仙沼線BRT 柳津~陸前横山 で60km/h走行やトンネル内走行、車線維持制御などを確認する走行試験を実施し、自動運転レベル3認証取得をめざす。

今回、JR東日本が製作した大型自動運転バスには、専用道で自車位置を特定するための磁気センサーシステムやRFID(Radio Frequency Identifier)リーダーを車底部に搭載するほか、GNSSアンテナも屋根上に搭載する。

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また自動運転中の周囲360度の障害物などが検知できるように、LiDAR(Light Detectionand Ranging:ライダー)センサー、ミリ波センサー、各種カメラも搭載する。

磁気センサーは路面に敷設した磁気マーカーの磁力を検知し、自車位置を認識する。また、RFIDリーダーは、路面に敷設した一部磁気マーカーに付属したRFIDタグ情報を取得し、自車位置を特定する。

GNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナは、自車位置を認識するために、測位衛星の電波を取得。LiDARセンサーは、レーザー光で対象物までの距離とその対象物の形状を識別する。

ミリ波センサーは、ミリ波帯の電波を発し、反射波を検知して対象物までの距離やその速度を把握。前方カメラ(ステレオカメラ)は対象物を2個のカメラで撮影することで、対象物までの距離やその速度を記録できる。

また、単眼カメラは、対象物を単一のカメラで撮影することで対象物の特徴を確定できる。さらに赤外線カメラは、対象物から放出される赤外線を可視化でき、センサーやカメラでとらえられないものを検知していく。

自動運転レベル3認証取得にむけ、追加したそのほかの機能

JR東日本 BRT専用大型自動運転バスは、自動運転レベル3認証取得にむけたその他の機能、ドライバーモニター機能や作動状態記録機能、MRM(Minimum Risk Maneuver)制御機能などもつく。

ドライバーモニター機能は、自動運転モードから手動運転モードにいつでも切り替えられるように常時ドライバーの状態を監視する。

作動状態記録機能は、自動運転モードでの作動状態を常時記録。引継ぎ要求機能は、ODD(Operational Design Domain)範囲外になるなど、自動運転モードから手動運転モードに切り替わる必要があるとシステムが判断したさい、警報音でドライバーに引継ぎを要求する。

また、MRM(Minimum Risk Maneuver)制御機能は、システム不具合やODDの範囲外の状態になったさいにシステムを安全に停止させる。

HMI(Human Machine Interface)機能は、走行状態やシステムの健全性など、自動運転システムの状態を常時ドライバーが確認できるモニタリング機能のひとつ。

JR東日本は、地域住民を対象としたBRT専用大型自動運転バスの試乗会を2021年夏、気仙沼線BRT柳津~陸前横山で実施する予定。