2020年のブルーリボン賞は西武鉄道の特急車両001系「Laview(ラビュー)」が受賞。セレモニーは狭山線西武球場前駅で開催されました。 写真:鉄道チャンネル編集部

鉄道愛好家の全国規模の親睦団体が「鉄道友の会」です。発足は戦後復興が一段落した1953年で、2021年で69年目を迎えます。鉄道チャンネルをご覧の皆さんは、友の会は知らなくても、会員投票でその年を代表車両を表彰する「ブルーリボン賞」や「ローレル賞」には興味をお持ちでしょう。

2020年のローレル賞にはJR四国の2700系特急気動車を選考。記念式典は高松駅で開催されました。 写真提供:鉄道友の会

湘南電車から特急列車、新幹線へといった鉄道の進歩に歩調を合わせ、友の会は鉄道趣味の普及や社会的認知に大きな役割を果たしてきました。インターネットが万能になった現在、情報は簡単に手に入るようになりましたが、同好の仲間を得たり、研究成果を発表する場として会の役目は変わりません。会の歩みや活動をたどりつつ、2021年1月13日に発表があった「島秀雄記念優秀著作賞」の3部門6作品を紹介しましょう。

全国規模の愛好家組織があるのは鉄道だけ

鉄道、自動車、飛行機、船といった乗り物には、それぞれファンと呼ばれる人たちがいますが、友の会のような全国一本の愛好家団体があるのは鉄道だけです。例えば、自動車にはモータースポーツのファンクラブはあっても、バスやトラックからレーシングカー、軽自動車までとなると、さすがに対象が広すぎるせいか、日本自動車工業会のような業界団体はあれど趣味の組織はありません。

その点、鉄道友の会は、JRでも私鉄でも、SLでも電車でも客貨車でも、日本型でも外国型でも、とにかく鉄道好きなら誰でもウェルカム。鉄道ファンには「鉄道なら何でも好き」という心の広い方が多いようで、そのことが友の会の存立基盤になっています。