日立製作所の鉄道システム事業 グループ会社、日立レール(イタリア)社は、イタリア中部フィレンツェで初の蓄電池駆動トラムの試験運行に成功した。

この成功は、蓄電池を搭載した鉄道車両を世界市場に展開する重要な一歩という。

今回の試験運行は、フィレンツェで走っている日立製トラム「Sirio」に蓄電池を搭載し、路線の一部を蓄電池駆動で走行。

電柱などで支えられた架線が要る従来のトラムは、その設置のために多大な費用がかかり、街の景観にも影響する。

そこを蓄電池駆動トラムにすれば、架線の設置にかかる費用が削減し、フィレンツェのような美しい歴史的な通りや街並みの景観への影響を軽減。都市の中心部において大容量の公共交通移動を実現できる。

また、トラムが減速時(ブレーキ制動時)に発生する回生電力を蓄電池に再充電することで、トータルでのエネルギー消費量を削減できる。

世界中で環境に配慮した鉄道車両を導入していく日立は、英国で都市間鉄道車両として初の蓄電池車両の導入にむけた契約を締結。日本で長年、蓄電池を利用した鉄道車両の開発・製造をすすめている。

国内では非電化の烏山線でバッテリー駆動車が走る

国内で蓄電池駆動の定期列車が走る路線の例に、JR東日本 烏山線(宝積寺~烏山)がある。

烏山線を走る EV-E301系電車ACCUM(アキュム)は、E995系 NE Train スマート電池くん をベースに開発した蓄電池駆動電車システム採用車。

このEV-E301系電車ACCUM(アキュム)は、総合車両製作所横浜事業所でつくったくるま。

パンタグラフを搭載し、烏山駅などでパンタグラフを上げ、架線から充電。非電化区間をバッテリーとモータで走っている。