鉄道事業者、どう稼ぐ? 経営支える駅ビルなどの関連事業 ポップアップ店舗をはじめ新しい取り組みも

2021.03.07

駅ビルはディベロッパー

パネルディスカッションに参加した山口JR西日本SC開発(左)、森本ルミネ(右)の両社長。中央は「ららぽーと」を運営する三井不動産の若林瑞穂執行役員・商業施設本部副本部長。

今回、関連事業を取り上げたのは、日本ショッピングセンター協会(SC協)の45回目の全国大会が最近、オンライン開催されたからです。流通・小売業は百貨店、スーパー、コンビニエンスストアとさまざまで、それぞれ業界団体があります。ショッピングセンター(SC)は、ディベロッパー(大家)が建物を建ててテナント(店子)を誘致。テナントが商売する営業スタイルで、駅ビルはほとんどがディベロッパーです。

鉄道事業者はSC協の主力メンバーで、清野智会長はJR東日本の社長・会長を務めました。全国大会では、多くのセミナーが開催されましたが、その中からJR西日本SC開発の山口正人、ルミネの森本雄司の両社長がパネリストを務めた「コロナで変わるSCの方向性~リーディングカンパニーの変革から明日を読む~」を聴講しました。2人はJR西日本、JR東日本で要職を歴任し、現在は駅ビル経営に携わっています。

都心の駅ビルは苦戦、住宅地最寄りの郊外は堅調

ルミネは首都圏をエリアに、社名と同じ「ルミネ」と、ライフスタイル型駅ビル「NEWoMan(ニュウマン)」合計15店を運営します。ライフスタイル型駅ビルとは、一つの店舗にファッションと雑貨など複数のジャンルの商品を置くショップのこと。コロナの影響は人出の減った都心店に大きく、山手線の新宿や有楽町(旧有楽町西武)は、2020年4~5月の緊急事態宣言時は売り上げが前年の4割程度に落ちましたが、現在は6~7割まで回復。周辺に住宅がある郊外の大宮や立川は影響が小さく、8~9割まで戻っています。

JR西日本グループのキャッチフレーズは「駅からまちへ、その先へ」。旗艦2施設の最寄り駅1日利用客数はJR大阪駅が237万人、天王寺駅が76万人です。

JR西日本SC開発は大阪駅の「ルクア大阪」と天王寺駅の「天王寺ミオ」が旗艦店で、部門別売り上げの前年比は「生活サポート」95.2%、「ビジネス・観光」60.4%。数字で分かるように、緊急事態宣言を受けたビジネス出張や観光客減少に大きな影響を受けます。

両社長は、「売り上げが都心から居住圏のSCにシフトしている。厳しい状況にあることは間違いなく、今はディベロッパーとテナントが力を合わせて耐える時期」と話していました。

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