退店スペースを埋めるポップアップ店舗

駅ビルのテナントは比較的優良店が多いのですが、時節柄やはり退店する店舗もあります。そういえば最近、大型スーパーに行ったりすると、ぽっかり空いた店舗スペースで買い物客が休憩したりしています。

こんな時に役立つのが「ポップアップ店舗」。空きスペースに突然店が出現し(ポップアップ)、一定期間で突然消えてしまう。イギリスが発祥だそうで、最近日本にも登場。駅ビルでも見掛けるようになりました。

飲食版のポップアップ店舗が「シェアレストラン」で、正式なテナントとして駅ビルに入居するのでなく、空きスペースの厨房を利用して一定期間料理を提供します。ポップアップ店舗やシェアレストランは、小売り・飲食業界のいわば〝お試し店〟。屋台やキッチンカーから、一流レストランとして名を成した店があるように、〝金の卵〟が隠れているかもしれません。

ウィズコロナ時代の流通プラットフォーム

SC協全国大会には、こんな楽しい動画も。ルミネ有楽町店の店員が撮影したミニファッションショーで、画面が縦長なのはおそらくスマホで撮影したからでしょう。

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最後に、私が「鉄道と駅ビルは似ているな」と感じた点。それは「リアル(現実)で商売する」ことです。こういうご時勢ですから、駅ビルもネットショッピングに乗り出していますが、ネットで売るのはテナントが取り扱う商品。「今回はネットでも、次はぜひ来店してほしい」の思いが込められ、「注文はネットで、受け取りは実店舗で」の〝ハーフネットショッピング〟にも力を入れます。

パネルディスカッションの締めくくりで、両社長は「お客さまとテナントを結び付けるのが、ディベロッパーとしての駅ビルの役目。ウィズコロナ時代の新しい流通プラットフォームを、駅ビルから発信したい」と話していました。

SC協全国大会では、数多くの鉄道事業者がネット上にブース出展していました。写真では代表3社を紹介しています。

JR東海のブースはバーチャルでも目を引きます。「東京―新大阪間の主要駅にて、魅力ある商業施設を運営しています」と広域性をアピールします。

文/写真:上里夏生(全てSC協全国大会の画面を撮影)