風光明媚な北の大地を行く花咲線

北海道の滝川―根室駅間を結ぶJR根室本線。その釧路―根室駅間(135.4km)には「花咲線(はなさきせん)」という愛称がある。

1991(平成3)年に公募で決定。実在する花咲港や花咲蟹をモチーフとし「将来にむけ明るい花が咲くイメージである」という理由から選定された。

風光明媚な路線として知られ、1993年にラムサール条約登録湿地に指定された別寒辺牛湿原(べかんべうししつげん)や厚岸湾、落石海岸など、車窓に映る景色は旅人を魅了してやまない。

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鉄道ファンとしても、日本最東端の鉄道駅「東根室駅」や、様々なラッピングが施されたキハ54形など見所の多い路線だ。全通は1921年8月5日。西和田―根室駅間が延伸開業し、花咲駅、根室駅が設置された。先に挙げた東根室駅は1961年に花咲駅と根室駅の間に設置されたが、花咲駅は2016年に廃止されている。

全通100周年記念ヘッドマーク&サボ掲出

そんな花咲線の全通100周年を記念し、地域の鉄道愛好家団体「夢空間☆花咲線の会」が中心となり、様々なイベントを実施する。

JR北海道釧路支社の協力のもと実現したのが、「花咲線全通100周年記念ヘッドマーク&サボ(行き先板)」掲出運転だ。実施期間は2021年8月5日~8日の4日間。なお8月7日<ハナの日>は、釧路駅にて 8:18発 根室行のお見送りイベントも行われる。

<対象列車>
釧路駅  5:35発 3625D(快速「はなさき」)
釧路駅  8:18発 5627D
根室駅  8:24発 5626D
根室駅 11:03発 3628D(快速「はなさき」)

記念ヘッドマーク
記念サボ2種

また同期間中の全列車(6往復)を対象に、根室駅ホームで乗降客に記念缶バッチや記念ステッカーなどのノベルティグッズを配布する。乗車・降車で配布されるグッズが異なるので、両方欲しい方は電車で根室駅を訪れてみるのが良いだろう。

※無くなり次第終了、荒天による運休時は実施しない。

「花咲線全通100周年アニバーサリーフェス in 根室駅」

8月7日には「花咲線全通100周年アニバーサリーフェス in 根室駅」も行われる。海鮮工房「霧娘」のご当地お弁当などの地域産品や鉄道グッズの販売、釧路臨港鉄道の会による鉄道模型展示、演歌歌手や地域魅力発信タレントを招く歌謡ショーなどが予定されている。

100周年記念事業を主催する「夢空間☆花咲線の会」は、花咲線のPR活動や運営イベント等の業務を行う愛好者団体。記念事業には根室市の花咲線普及促進助成金が活用される。

釧路支社は記念きっぷを発売 特典でサボが貰えるかも?

釧路→根室の片道乗車券/釧路駅で発売(上) 根室→釧路の片道乗車券/根室駅で発売(下)(画像:JR北海道釧路支社)

JR北海道釧路支社は花咲線の全通100周年にあわせ、記念乗車券を用意した。

2021年8月5日から、釧路駅・根室駅で片道乗車券を販売。発売金額は2,860円で、発売枚数は釧路駅・根室駅ともに各2,000枚。

また、記念乗車券購入者には1枚購入するごとに応募券付チケットケースを1枚配布する。根室・釧路両駅分の応募券をセットにして郵便はがきで応募すると、抽選で素敵なプレゼントがもらえるキャンペーンも。

<賞品>
・「平成13年度厚岸湖バーベキュー号で使用したサボ」(1名)
・「根室―厚岸間の普通列車に使用したサボ」(1名)
・「花咲線全通100周年記念オリジナルトートバッグ」(20名)

今年は花咲線だけでなく「釧路―白糠開通120周年」「釧網本線全通90周年」「石勝線開通40周年」と4つの線区で「周年」を迎える記念すべき年であることもあり、同支社は様々な線区で記念企画を実施している。

鉄道チャンネル編集部
(画像は特記のあるものを除き、根室市観光協会提供)